王はあのまま奥の部屋に籠もっている。
商人も一足先に席に戻り、何もなかったかのように別の商品を見せていた。
「うん、変わった動物だったよ。父様がたいそうお気に召されてね。だから今もその動物を可愛がっているんだ」
マラークはピクリとこめかみの辺りをヒクつかせながらも笑顔を浮かべた。
アサドは奥を振り返って、それをまた女だと思ったのか苦笑した。
「お体に触らない程度になさってくださればいいのですが・・・」
さすがに優秀な男は鋭かった。
だがまさかそれが、アサドも大好きな王子そっくりの奴隷だとは知るよしもなかった。
一方王は早速少年を味見しようと客室へ入り、従者に部屋の外に立たせていた。
宴で中座した王に后が探しに来ても、絶対に入れないよう言いつけてあった。
「良い子だからおとなしく出てきなさい。お前が逆らわなければ酷いことはしないよ」
王はニコニコと笑みを浮かべながら右手を籠の中にさし出した。
少年はおずおずと開けられた籠の入口に近づく。
「捕まえた」
王は嬉しそうな笑みを顔中に浮かべながら、裸の少年の鎖に繋がれたままの手首を引いて自分の腕の中に抱き寄せた。
サラリと滑るような肌は思ったとおりハリもありしっとりとしていた。
少年は少しだけ驚いたが、すぐに諦めて王の腕の中でおとなしくする。
「良い子だ・・そうだお前には名を授けよう。う~ん・・その美しい瞳にちなみ、ナジム(星)というのはどうじゃ」
「ナ・・ジム?」
少年が初めてその花びらのような唇で言葉にすると、王はそれだけで満足した。
「そうじゃ、良い子だのう」
と金色の巻き毛を撫でてくれた。
彼はその行為がとても心地よかったのか、子猫のように目を細めてうっすらと微笑んだ。
王は彼を抱き上げるとそのまま豪華な天蓋つきのベッドに運んだ。
そこでナジムの体をベッドの上に横たえると
彼の花びらのような唇に自分の唇を押しあてた。
「んっ・・・」
一瞬少年は驚いたが、そのまま諦めたようにおとなしく横たわっていた。
王はナジムの唇をさんざん貪ってから、首筋や鎖骨、ささやかに色づいている乳首を嘗め回す。
ナジムはその行為にひたすら耐えているようだった。
その行為がしばらく続き、ようやく解放されてナジムが目を開けると
王はその顔の上に膝をついて跨った。
「良い子だから・・・」
と王は忙しなく腰紐を解いて自らの欲望をナジムの顔の上に差し出した。
既に興奮していた王の雄をナジムは怯えた目で見つめていたが、その頭を王に押さえ込まれると、ナジムの花びらのような唇に猛ったそれの先っぽをねじ込んだ。
ナジムが嫌々をするように首を左右に振っても、許さずにグイグイと欲望に堅くなった楔が
ねじ込まれていく。
ナジムは苦しさに目に涙を浮かべていた。
王は可愛い天使が涙ながらに己の欲望を咥え込んだ顔を見て、それだけで欲望を更に堅くした。
ナジムの可愛らしい唇から涎を溢れさせながら、はみ出してしまうほどの楔を強引にねじ込むことに、妙な興奮を覚えた。
時折白く滑らかにナジムの肌に触れてやると、唇が閉まって余計に煽られた。
だが、すぐにイってしまうのはもったいなくて、王は一度唇からそれを抜き取ると
今度はナジムの白い肌をもう一度ザラザラとした舌で舐め始める。
指の先から腕、肩、脇の下、鎖骨から胸へと王の舌は余すところ無く舐め回した。
「ああ・・・んっ・・・」
ピンク色に色づいている乳首にザラリと舌を這わせただけで、ナジムが小さく声を出した。
「かわいいではないか」
王はナジムの乳首をきつく摘む。
「くっ・・・あぁぁぁ」
ナジムは高い声を上げて顔を歪めるのを楽しそうに眺めていた。
何度も舐めたり吸ったりして、そこがしこりを持ちはじめると、今度は指先でコロコロとこねた。
「ん・・・あっ・・・はぁ・・」
色っぽい吐息を聞きながら王の楔は更に堅く張りつめた。
もう一度吐息を吐き出すその唇にそれをねじ込んだ。
「んっ!!くんっ・・・」
ナジムは一気に喉の奥までねじ込まれた楔に、大きく瞳を見開いている。
王は腰を振りながらナジムの唇が真っ赤になるほど擦りつけて
その姿に欲情し、それだけでナジムの口の中に欲望を吐き出した。
「ゲホッ・・・んふっ・・」
ナジムは苦しげに咳き込むが王はナジムの唇にいやらしいキスをした。
「これから毎晩お前を可愛がってやるから、楽しみにしていなさい」
背中にきつく吸い付かれてしっかりと王の痕跡を残されたナジムはただ涙を流した。
彼にはここでは人権さえ与えられないのだと・・・
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