水の中に入って冷え切ってしまった体を雅秀の肌で温めていてくれたらしい。
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[1回]
お互いが一糸まとわぬ姿だった。
だからあんな夢を見たのだろうか?雅秀の体温が伝わって淫らな夢を見たことを今はもう後悔していない。
光長は繰り返し与えられる初めての雅秀の口づけに酔っていた。
それだけで体中が高ぶっていくのがわかる。
雅秀に口づけられながら体のあちこちに触れられて、自分も雅秀に惹かれていたことにやっと気づいた。
「どうして・・・どうしてもっと早く言ってくれなかった」
光長が雅秀の瞳を見つめると雅秀は光長の顔にかかる髪をかき分けた。
「お前を恨んでいた。そしてねじ伏せたかったからだ」
「けど・・・」
光長の心の中ではただ一言の言葉を待ち望んでいた。
この期に及んで雅秀はまだ光長に言ってはくれない。
「だから唇には触れたくはなかった。。。」
ガラにもなく照れたように雅秀が唇を尖らせた。
思わずクスッと笑った光長を見て雅秀が目を見開いた。
「どうした?そんな珍しいものでも見るような顔をして」
光長が微笑みかけると雅秀が呆然と呟いた。
「お前が俺に向かって笑いかけるなんて夢のようだ。まさかこんな・・・」
「そういえばこれまでお前に酷いことばかりされ続けて泣くことはあっても笑うことなど忘れていた」
目映い程の笑顔に雅秀の両腕が伸びる。
「どうして笑いかける?俺はお前をねじ伏せて、酷い目にあわせ続けてきたのに」
「そうだな。けど私の中ではいつしかお前のことが忘れられなくなっていた。何よりもこの体がそう教え込まれたのだと思っていたんだが、どうやらもっと違うところがお前を欲しがっていたようだ」
雅秀の腕の中の光長は今にも光と一緒に溶けてなくなるのではないかという錯覚さえ覚える。雅秀はそんな光長を失いたくなくてその背中を掻き抱いた。
「く、苦しい・・雅秀・・・」
「好きだ・・・お前のことが好きだ」
光長の瞳が見開かれた。
欲しかった言葉がやっと聞けた喜びが顔全体を笑顔にする。
「私もだ。雅秀、私をもっと気持ちよくしてくれ」
「その言葉、後悔させてやるから覚悟しろ」
雅秀は光長の双丘に手を伸ばして覆い被さった。
「あ、待って・・・あ・・」
「待つか・・ばかもの」
同時にその唇が塞がれた。
<「蜜月」山小屋にて4へ続く>
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