彼は以前会った時と同じように優しそうに微笑んでいる。
「どうして・・・」
光長は痴態を晒したまま呟いた。
彼・・・星埜月余は光長の側に来ると顔を近づけた。
後ろで緩く束ねられた長い髪が光長の頬に垂れる。
「すごく素敵です。この間もたっぷり楽しませてもらいましたが、残念ながらあなたは私を全く覚えていなかった」
笑みをかみ殺すように光長の耳元に囁いた。
芳生は月余の姿を見ると既に一歩後ろに下がっていた。
月余は芳生のいた場所に移動すると光長の姿を見つめた。
「それにしても、相変わらずいやらしい体ですね。あなたという人は、どうしてこんなにまで」
「うっ・・・やめっ・・」
月余の指先が光長の締めつけられている雄の先に触れる。
達することも許されず触れられると雄は大きく動いた。
「おやおや、こっちは素直ですね」
月余はおもしろそうに後ろに押し込められている張り型をグイッと押した。
「あああっ!!」
光長が大きな声をあげる。
「さぁて、まだまだ時間はたっぷりあります。せいぜい涙が枯れるまで泣いてもらいいましょう」
月余のきれいな瞳がキラリと光ると光長はゾッとした。
既に芳生と桔梗は退出しようと立ち上がっている。
客というのは月余のことだったのだろうか?
彼は助けてくれた人なのにどうして・・・
光長はじっと月余のきれいな横顔を見つめている。この人はすごくきれいな人で、恋人だっていたのにどんな気まぐれで僕なんか欲しがるんだろう?
背広を脱ぐ月余の姿を見つめながら光長は考えていた。
月夜はシャツのボタンを2、3外しながら光長の頭を自分の足の上に移動させた。
「まず、私を元気にしてくれないか?」
光長は何も言わずにズボンのベルトをカチャカチャと外しながらホックを外した。
口でファスナーを下ろすと、月余は光長の頭を撫でてくれる。
まだふわりとした柔らかい月余の雄を口に含んで舌先で転がした。
「いいね、上手くなってるなぁ」
月余は嬉しそうに光長の尻に突き立てられている張り型を弄る。
蕾の中が麻痺するようにジリジリする。それでも気持ちよくて締め上げられた雄の先からはずっと透明な蜜が流れ続けていた。月余は指先でそれを拭う。
その仕草にさえビクンと体が反応する。
「そうそう、その敏感なところが君の最大の魅力だよ。いいねここもピンク色に尖って、すごく欲しいみたいだ」
と胸の尖りを摘まれた。
「はっ・・・くっん」
ジワリと胸から下肢へとしびれが走った。
月余が光長を指先で追い詰めると光長はそれに答えるように月余に奉仕した。
その甲斐があり、月余の雄が硬く張りつめてった。
月余は光長の口から雄を引き抜く。
「こっちに挿れて欲しいですか?」
どこまでも甘く溶けてしまうような声で囁かれて光長は長いまつげを揺らしながら頷いた。
「いいでしょう」
<「弦月」再び商家にて11へ続く>
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