一晩中アサドに泣かされ顔中に涙のあとがついて、ナジムのきれいな顔がぐちゃぐちゃだった。
アサドがようやくナジムの体に熱い蜜を注ぎ込んで、ぐったりとナジムは倒れ込んだ。
放心状態で指一本動かすことさえおっくうだった。
アサドはナジムの中に放った蜜を掻き出して、きれいに拭き取ってくれた。
それから何度もナジムの唇にキスをしてどこかへ消えていった。
ナジムはそのまま目を閉じると、そのまま眠りに落ちた。
大人げないことをしたとアサドは熱いシャワーを浴びながら反省していた。
所詮偽物の王子なのに、どうしてあそこまでカマールに嫉妬したのか
冷静になると腑に落ちない。
しかし、泣きながらすがりついてくるナジムにマラークでは得られなかった欲望が満たされた。
いや、満たされたというわけではない。
抱けば抱くほどもっと欲しくなる。
これまでの欲望を抑え込んできた反動がナジムによって吐き出されているのかもしれない。
好きでもない、ただマラーク王子に瓜二つな顔をしているだけのナジム。
本当のマラークは抱いたことなどないから、その身代わりとしてつい虐めたくなる。
それにしてもカマールは一体どうしてたやすくナジムを抱いたのだ。
アサドがナジムの体に塗り込んだ薬など、もう、効力などないはずなのに・・・
やはりナジムには淫らな血が流れているのか?
ふとアサドは飽きることなくナジムを突き上げたときのことを思い出して体の奥が熱く疼いた。
それから自ら雄を見下ろして、それがすっかり大きくなって反り返っているのを見ると、
フッと笑った。
そんなに若いわけでもないのに、考えただけで反応してしまうなんてどうかしている。
もう一度目を閉じて熱いシャワーを頭からかけながら、己の雄に指先を絡めると扱きだした。
ただ処理するだけの行為はあっけなく果てることができた。
「くっ・・・」
声を押し殺しながらタイルの上に白い蜜を飛ばした。
「マラーク様・・・」
蜜を飛ばしながら自分の愛する人の名を呼んでみる。
叶うことのない恋
そしてどこかへ消えてしまった最愛の人
だが、ナジムのことを考えながら自慰をしてしまったことへの罪悪感。
だからナジムとはなるべく普通に接しようなどとは思わなかったのに、ナジムは懸命にそれに耐えている。
その姿が健気だ。
今日はもっと泣かせてやろう。
アサドはようやくシャワーを止めた。
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