スティーヴンはクスッと笑った。
「そうして座るのがやっとだというのに、外を出歩く事なんて無理だろう。今日はおとなしくベッドにいろ」
マラークはテーブルの上にティーカップを置いた。
カチャッという音が響いた。
そうだった。腰がズンズンと重くて痛い。
それは一体誰のせいだ!
いきなり無口になったマラークにスティーブンもティーカップを置いた。
「そう落ち込むな。週末にオペラがある。丁度一人で行くのも退屈だと思っていたところだから連れて行ってやる」
「オペラ?あの舞台で演じるという・・・」
マラークは実際には見たことは無かったがアサドに聞いたことがあった。
英国やフランスなどで歌やオーケストラを使って役を演じるという。
そこには社交界の連中が着飾って姿を見せる社交場らしい。
「ああ。俺は退屈だからあんまり好きじゃないが、お前が一緒なら話は別だ」
アサドに聞いたとき、ぜひ一度見てみたいと思った。
だが、マラークのいたブルザード公国にはオペラハウスなどなかった。
あったところでそれを演じるオペラ歌手もいない。
あの国にいる限り一生見ることができなかったオペラ。
マラークはそんなことを考えているだけで明るい顔になった。スティーヴンはその頬に手を添えて唇に顔を近づけた。
しかし、ピシャリとその頬に痛みが走った。
「だからといって今日のこの状況を許した覚えはない」
マラークがキッと睨む。
スティーヴンは叩かれたマラークの手を掴むと今度は強引に唇を塞いだ。
「自分から誘っておいて、そうなってしまえば人のせいか?流石王子様はわがままでいらっしゃる。まぁ、俺はそのくらいの方が好きだけどな」
掴まれた両手を動かそうと暴れるマラークの唇を塞ぎながらソファーに押さえ込んだ。
「どうせ動けないんだ。何度でも気持ち良くなりたいだう?」
ふざけたことを言いながら真剣な瞳で見つめられてマラークはドキッとした。
真面目に言っているのだろうか?
「勝手にすればいい。今日こそはお前の言うことなど聞くもんか!!」
プイッと顔を背けたマラークにスティーヴンはもう一度深く口づけた。
口の中を深く舌で舐めてからマラークの舌を絡め取っていく。
「ん・・・くっは・・」
くちゅっという淫らな音にマラークの体はぐったりとなってしまう。
こんな風に体が熱くなるなんて・・・
昨日さんざん植え込まれた体は、勝手に暴走をはじめる。
痛いくらいに前が張りつめてきた。
するとスティーヴンがマラークのガウンの前から堅くなっていた雄を暴いた。
「あっ・・・」
たった今まで口の中を嘗め回していたスティーヴンの唇がマラークの雄に寄せられた。
「だめっ・・・そんな・・」
自分の雄を口に入れるなど考えたこともなかった。
びっくりしたマラークはブンブンと首を左右に振った。
「ちゃんと剥かないと大人になれないぞ」
余裕だっぷりに口に含むスティーヴンにマラークは目を閉じた。
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