「ん?」
「挿れて」
月深の言葉に優翔が息を飲む。
まだ最後まではしていない。
こんな風に待っていて、今度のように月深が連れて行かれて強引に誰かにそんなことになってしまったらと思うと嫌だ。
だが、最後まで行けば本当に後戻りはできなくなる。
月深の体だって耐えられるのかどうかさえ逆に不安だ。
「月深・・・」
「ん?」
唇を鬱ぎながら優翔は月深の顔をじっと見つめた。
揺れる瞳は優翔を見つめながら細められた。
「して・・・」
そんなことを言われると本当に理性が持ちそうにない。
月深はヤクザなのにとても繊細で美しい。
それなのに向こう見ずだから放っておけない。
少し前だってあんな格好で逃げてきて、もしも見付けたのが優翔じゃなかったらどうなっていたか。最もそのまま逃げずにいるよりは良かったんだが・・・
「いいの?」
優翔の言葉に月深が頷く。
「はやく・・」
すっかり起ち上がった月深の雄の先からとろりと透明の蜜が糸をひく。
「そっか、こんなだもんな」
それを指先で何度も擦ると月深の背が弓なりにしなった。
「あ・・」
優翔の指先が月深の蕾へ到達する。
さんざん弄られているそこはヒクヒクと優翔の指を待ち望んでいた。
グッと指先を入れると中から溶けるように優翔の指に絡みついてくる。
「よし、いい?」
指を引き抜いて月深の蕾に自分の雄を押し当てると月深は何度も頷いた。
「んっ・・・はっ・・」
グイッと先端を押し入れるとひときわ大きな声が漏れた。
熱くてそこから溶け出しそうだ。
そのままゆっくりと奥まで体を進める。
やはり指とは違い、なかなか進まない。
「痛い?もっと力抜ける?」
耳元で囁くが月深は大きく開いた瞳が潤んでいる。
優翔は思わず一度入れた雄を引き抜いた。
「ね、無理しなくていいから」
コツンと月深の額におでこをぶつけてなだめるように背中をさすった。
月深は瞼を閉じてそこから涙が流れた。
「ごめん・・・」
そのまま優翔に両手を伸ばして抱きついた。
「ごめん・・本当にごめん」
「いいよ」
2人は溶けるようなキスをした。
<「更待月」月の砂21へ続く>
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