優翔に温められた体は急に離されてもその余熱を保っている。
「あ・・・」
名残惜しそうに声をあげた月深に優翔は優しく微笑んだ。
「きれいに洗ってあげるから」
月深は頬を赤くしながらコクンと頷いた。
そういえば竜一に体のあちこちを触られたり舐められたりして、そのまま優翔には触れては欲しくない。
脱衣所に入ると誰もいないらしく、脱がれている衣服はなかった。
2人きり・・・
優翔にかけてもらったカーディガンを脱いで、腰に巻いていたシャツも取った。
「月深、ひどいことされた?」
優翔のいたわるような視線に首を左右に振った。
「大丈夫」
だが、優翔の視線が月深の手首から股間へと移動する。
「けど・・・」
その瞳の中に怒りが感じられた。
月深は気づいていながらも優翔に背中を向けて浴室に入っていく。
後ろから優翔も慌てて服を脱ぎ捨てると、月深をおいかけるように浴室に入ってきた。
シャワーを浴びている月深の手首を掴んで強引に湯船の方向に歩き出す。
月深はシャワーを止める間もなく、そのまま湯船に入れられた。
バシャンとすごい音がして、優翔も入った。
「いやだ・・・月深・・・俺だけのものだ!」
優翔は月深をぎゅうっと抱きしめて顔中にキスを落とした。
月深は優翔の背中を撫でながら
「うん・・・」
と頷いていた。
<「更待月」月の砂16へ続く>
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