食事が終わって月深は車に乗せられてリゾートホテルの一室に連れて行かれた。
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
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大きな窓から見下ろす景色はさっきの湖だが、景色が違う。
湖は広く海のように見えた。
そんなホテルの最上階の広い部屋、多分スイートルームといったところだろうか。
部屋がいくつかあるし、バーカウンターまで設置されてあった。
竜一はそのバーカウンターに座ってグラスを傾けている。
一方月深は少し離れたソファーにまだ両手を後ろで拘束されたまま座らされていた。
カラカラとグラスの中の氷の音が部屋の中に響く。
部屋の中にはさっき大勢いた竜一のボディーガードの姿はない。
だがドアの外にいて何かがあればすぐに入れるよう聞き耳を立てていた。
ここでどうする気なのかは大体想像が付く。
月深はある程度覚悟は決めていた。
自分だって男だし鳥取組の血を引いている。
いざとなれば自分の体を投げ出すくらいどうってことはない。
今はとにかく太陽を救って、組を立て直さなければならない。
それにはこの男の力が必要なのだ・・・
「お前はそうして飾っておいても華があるな」
グラスを片手に口元を上げて笑う。
月深は窓の外を向いたまま何も言わなかった。
「そんなにすかした顔した男が泣きながら許しを請う姿が見られると思っただけでぞくぞくするぜ」
「それならばいつまでも縛り上げたまま放置しておかずにさっさと終わらせればいいだろ!」
月深の言葉に苛立ちが感じられる。
もう何時間こうしてこの男に視姦されているんだろう。
ひと思いに犯られた方が楽なんじゃないかと思った。
「やだね、そんなことしたらせっかくの俺の楽しみが一瞬でおわっちまうじゃねぇの。じっくり時間をかけてお前を跪かせてやるからおとなしくしてりゃあいいんだよ」
とグラスを傾けた。
このまま監禁され続けるのだろうか・・・
月深はこの男の変な趣味に付き合わされることにうんざりした。
それにしてもこんな時だというのに窓の外に映る夕日のなんと美しいことだろう。
この景色が優翔と一緒に見られたなら何にも思い残すことはなかったのに・・・
などと考えていた。
そんな月深の美しい横顔を竜一はうっとりと見つめていた。
<「更待月」月の砂8へ続く>

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