雫が戻ってきたのは窓から薄い光が漏れはじめてからだった。
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[0回]
一晩中中を刺激されてすっかり痺れきって感覚を失っている。
羽根は体中が性感帯のように少し触れられただけでもビクビクと震えてしまうようになっていた。
その証拠に朱鳥に口で体に触れられただけで簡単に何度も達していた。
「こんなに部屋を汚してもいいなんて誰が言った?」
雫は羽根の顎をとらえると間近でその顔を見つめる。同時に羽根の体がまたかすかな飛沫が飛んだ。
「オイオイ・・・」
雫は驚いたように羽根を見た。そのまま唇を強く吸った。
抱きしめられても拘束されていては抱きしめ返すこともままならない。
それでもこうして雫に口づけされると嬉しかった。
自分はいつからこんなに雫が大好きになっていたのだろう。
酷い仕打ちばかりされているというのに、この男のどこにそんな魅力があるというのだろう?唇を離した雫はようやく横の朱鳥の拘束を解いた。
「熱いコーヒーが飲みたい」
静かにそう言うと拘束を解かれたばかりで痛む腕を軽く撫でた朱鳥は
「かしこまりました」
とバスローブを纏って部屋を出て行く。
その際に一瞬羽根に悲しそうな苦しそうな瞳を向けた。
朱鳥が出て行くとようやく雫は羽根の中から道具を引き抜いた。
まだ中がびりびりと痺れている。
「あ・・う・・・」
喘ぎすぎて涙と声が枯れた羽根の髪をやさしく雫は撫でていた。
「どうだった?気持ちよかった?これでオレがいなくても我慢できそう?」
そんな問いかけにも放心したような瞳で雫を見てから羽根は疲れて瞼を閉じた。
少し眠らせて欲しい。
羽根はすぐに眠りについた。
爽やかな風か頬を撫でていく。
甘い花の香り
鳥のさえずり
体には柔らかい毛布の感触と体温と鼓動
ああ、とても心地良い
体がボロボロでもこうしているとなんとか起き上がれそうだ。
眩しい光にゆっくりと瞼を開くと優しい切れ長の瞳がずっと見つめていた。
「雫?」
「ん?起きた?無理しなくてもいいよ」
いつもの優しい雫だった。
昨晩の鬼のように怖い雫ではない。
とても紳士で優しい雫だった。
<「恋占い」テラスにて2へ続く>
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