そのまま何かが自分の下肢を撫でられる感触が心地良い。
「ん・・・ああ・・」
僅かに声を洩らすとそれは羽根の蕾の中へと進入してきた。
すごく気持ちが良い・・・もっと奥の方まで触ってほしい・・・
そう思って僅かに開いた瞼には雫の姿が映っていた。
ああ・・雫に抱かれてるんだ俺・・・
ともう一度目を閉じた。
そこに雫の声が聞こえた。
「じゃあ、お前が先にやってもいいぞ。その代わり俺に全部見せて」
しばらくしてベッドが沈むともうひとりの誰かが羽根の足を持ち上げた。
誰?
羽根は目を開けると朱鳥が雫に己の楔を押しあてようとしていた。
「いや・・・・」
羽根の顔を見て朱鳥が口づけてきた。あやすように舌を絡め取られて耳元で囁く。
「少しだけだから」
少しでも雫が見ているところで別の誰かに入れられるなんて耐えられない。
羽根が涙を流した。
それに気づいた雫が朱鳥を突き飛ばした。
「もういい!!」
眠っていたならわからないから良いと思ったが、羽根の意識があってなおかつ拒まれれば今はそんな気分じゃない。
今日の雫は車の中でのこともあって、正直朱鳥に腹を立てていた。
雫は車の中でのことは全て知っているわけではない。ただ何となく羽根の様子からそう感じただけのことだが、それでも雫が知らないところで雫より先に羽根を抱いたことが面白くない。
普段は朱鳥をパートナー扱いしている雫も今日は冷たく酷い仕打ちを繰り返した。
朱鳥の顔はそれでも醜く歪むことはない。そのポーカーフェイスがまた雫の癇に障った。
羽根はうつろに瞳を開いて自分の目の前にあった雫の顔と退けられた朱鳥の顔を見比べる。
一体この二人に何が起こっているんだろう?車の中でのことがバレた?
羽根は単純だった。普通に恋人が別の誰かに抱かれたりしたら怒るのが普通だと考える。
普通は誰もがそう考えるものだと疑わなかった。
だからこの二人はどんなに仲が良くても亀裂が入ったのではないかと思った。
そんなことを考えていた羽根はまだまだ甘い。
この二人にとってお互いの存在はそんなに軽い関係ではなかった。
<「恋占い」監禁部屋にて7へ続く>
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