今日はなんだかもう武道の練習にも身が入りそうにないので休んでしまった。
光長はこの道場に入門してから真面目な弟子でこれまでよほどでない限り休むことなどなかった。
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[2回]
だが雅秀とのことから少しずつ精神的な乱れが起きている。
そのために剣にも身が入らずつい他のことを考えてしまうことがあった。
しかし、剣の道では少しの気のゆるみから命に関わることが多い。
心配した師範が光長の部屋を訪れた。
「私も若い頃気の迷いがあった。そんなときには自然に抱かれるのが一番良い。どうだ私が若い頃に籠もっていた山がある。しばらくそこで修行でもして身を清めてみてはどうだ」
身を清めると言う言葉にとても惹かれる響きを感じた光長は
「ぜひそうさせてください」
と師範に頭を下げていた。
こうして光長は誰にも内緒でこの道場を後にして師範の教えてくれた山に向かった。
それはこの道場からさほど遠くもなく、朝道場を出てから昼過ぎには目的の山の入口に着いていた。
師範に教えられた山小屋はその山の上の方にあるらしい。
光長は慣れない山道をゆっくりと登り始めた。
幸いこの山道は急ではなかったのでそこから夕刻になる前には小屋に到着した。
小屋のすぐ近くに師範が話していた清めの滝があった。
光長はその滝を見ていると自然と足が滝に向かって歩いていた。
ところがふと足をとられて水の中に沈んでいく。
深くはないはずなのになぜか起き上がることができず
次第に息が苦しくなってきた。
(清めの滝でこの身が終わるのも神の導きかもしれん)
半ば諦めていると冷たい水の中でふと体温の温もりを感じた。
それはなぜか光長の着ていた着物を全てはぎとって体中を暴いていく。
胸や足、そして尻など体中に触れながら水の中で蹂躙するように・・・
そのまま息が苦しくなり水の中で意識を失ってしまった。
「馬鹿野郎、死んでもいいなんて思っただろ。俺は許さねぇ。地獄の果てまで共してやる」
「まさ・・ひで・・・」
遠ざかる意識の中で雅秀の声が聞こえた気がする。
この体に触れていたのは雅秀だったのか・・・
<「蜜月」山小屋にて2へ続く>
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