雅秀の声が僅かに掠れているのは本当にそう思っているからだろう。
こんな格好で興奮しているのは自分だけじゃないと思ったら、少しだけ救われる。
雅秀は光長の指の先から舌を這わせて体中を舐めていく。それは丹念に時間をかけるから光長は次第に我慢できなくて腰を浮かせた。
「ここも・・・」
腰を浮かせてそう言うと雅秀は口元を上げた。
「どこだって?」
光長は口に雅秀の雄を含んだまま視線だけで自らの腰の辺りを見た。
「ほう」と雅秀が光長の要望に応えるように片手を丸い尻に滑らせる。
光長はビクンと体を震わせた。
雅秀はわざと焦らすようにゆっくりと丸みをたどりながらその狭間にたどり着くと、そこを人差し指で数回行き来した。
「どこだかわからねぇな」
口元を上げながらしらばっくれて何度も光長の蕾の上を指がなぞる。
その都度光長は背中をビクつかせた。
「ん・・・あっ・・・」
レースの下着にシミができていく。雅秀はそれを眺めながらそれでもまだ指先で戯れていた。
「入れて・・・」
「あん?どこに?」
またしてもどこかで繰り返した言葉のやりとりが行われる。
雅秀はすっかり硬く張りつめた雄を光長の口からはずしてわざと目の前にちらつかせる。
ふとそれで貫かれたときの快感が光長の頭を過ぎる。
体中が痺れるほどの快感を与えて欲しくて光長は小さな声で呟いた。
「穴に入れて・・・雅秀のが欲しい」
一瞬雅秀が息を飲み込む気配がする。そのあとで雅秀は光長の手首と足をベッドから解いた。
自由になった片足を高く持ち上げて雅秀は自分の肩の上に担いだ。それによって光長の一番どん欲な場所が雅秀の目に晒される。
指先で今度は一気に突かれるとそれに絡みつくように襞が吸い付くのが光長自身にもわかった。
雅秀はゴクンと唾を飲み込むと自らの楔を指の代わりに押しつけた。
ズクズクと埋め込まれていく雅秀の楔の熱を体中で受け止めながら光長は高い声を上げていた。
やがて全てを埋め込むと雅秀は一度埋め込んだ楔をゆっくりと抜き差しし始める。
その律動に何度も気を失いそうになりながら虚ろな瞳で目の前に置かれていた鏡を呆然と眺めた。浅ましく足を広げた自分が雅秀を飲み込んでいる。その上気したいやらしい顔は見るに耐えない。雅秀も鏡の向こうで口元を上げながら光長をじっと見つめていた。
何かを言いたそうに光長が目を背けるとその顎をつかんで鏡を向かせた。
「もぅ、許して・・・」
「お前が欲しいって言ったくせに、甘いぜ」
雅秀は光長の足を一度下ろすと今度はうつ伏せにして腰だけ高く上げさせる。横を向かされた顔の前にあられもない格好の自分が鏡に映っている。尻の肉を開いてわざと鏡に向けると蠢く光長の蕾の中が映し出された。
「いや・・やめろ・・・」
雅秀はそこに自らの楔を突き立てていく。女のようにガーターベルトをつけて貫かれた光長はそれでも雅秀が中を何度も突き上げるとその気持ちよさに雄の先からとろりと蜜を垂らしていた。それを雅秀に掴まれると体中の神経がそこに集まるように痺れた。
何の予告もなく噴き出す白い濁った蜜を雅秀は指先で救って光長の白い滑らかな肌に擦りつける。同時に何度も抉られて奥まで雅秀の熱を感じた。
<「弦月」湖畔にて10へ続く>
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