体の中に埋め込まれている雅秀の楔が光長を苦しめた。
列車は運悪く山道を走っているらしくガタガタと普段よりも揺れていた。
「ん・・・くっ・・・」
苦しそうな光長の頬に雅秀の唇が這う。
「まだ薬が効いているのか?お前相当淫乱らしいじゃねぇか」
耳元に低い声で囁かれて全身が痺れていく。
腕を後ろ手で縛られているおかげて雅秀の膝の上は頼りなく、バランスを崩すとそのまま頭から落ちそうだった。
それなのに雅秀はわざと揺れに合わせて下から突き上げた。
「あっ・・やぁっ・・」
ガクンと崩れ落ちそうになる光長の上体を雅秀の逞しい腕が抱き止める。
「嫌と言いながら、こっちパンパンじゃねぇか」
もう片方の手で光長の雄に触れる。
すっかり勃ち上がったそれは突き上げられる度にビクビクと揺れていた。
「さわるな・・・うっ・・ああ」
これ以上刺激されると今にも達してしまいそうで首を左右に振った。
すると雅秀はわざと手を離してまた列車に揺れを預ける。
「これなかなか気持ちいいぜ。お前の中良い感じに締まってくるし」
一体いつまでこんなことを続けるつもりだろう?光長は雅秀の横顔を虚ろに見つめていると、急に列車が止まった。
その衝撃で思い切り良いところを突かれて光長の雄から蜜が吹きだした。
「ああっ・・っ・・ん・・・」
ビクビクと揺れながら蜜を吐き出す雄をまじまじと見つめられて恥ずかしくなる。
「ほう、後ろだけでイけるとはな・・・相当仕込まれたようだな。フッこれはおもしれぇ」
雅秀はそれでも光長から抜こうとはしなかった。
「抜いてくれ・・・」
光長が雅秀を振り返るとその唇を雅秀の唇が塞いだ。
獣のように荒々しい舌は光長の喉の奥までも噛みついてきそうな程、奥まで進入してきた。
まるで怒っているようにさえ感じられる。
雅秀はそのまま光長をシートに押し倒すと、滅茶苦茶に突き上げてきた。
「はっ・・やっ・・・んん・・・ああ・・」
体の中を全て食い尽くされるような勢いの雅秀に光長は怖くなった。
だが心とは裏腹に体は雅秀に順応する。酷くされればされるほど気持ちよくなっていった。
涙が頬を伝ってはじめて自分が泣いていることに気づいた。
雅秀はさんざん突き上げるとその欲望を光長の中に吐き出した。
ジワリと熱い蜜が光長の中に溶け出してくる。
雅秀の動きが止まっても光長は雅秀に強く抱きしめられたままだった。
雅秀の心臓の音が早い、壊れてしまいそうなほど早く鳴っている。
それに気づいた光長は腹の上に伏せた男の顔を見つめていた。
やはりどうしても許せないと思った。
<「弦月」特急列車にて4へ続く>
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