先日怒って出て行った男が上機嫌に襖を開けて姿を見せた。
光長は風呂を上がってから桔梗に薬を入れられていた。
桔梗はあまりに淡々と物事をこなすので油断をしていた。
光長は徐々に訪れる体のうずきに頬が紅潮していた。
いずれこんな男にでも腰を振ってねっだってしまいそうで恐かった。
「やめろ、触るな」
男は部屋に入ってくると奥の座布団に座っていた光長の頬を掴んで顔を覗き込んできた。
「おや、こんな風になってもまだ気位だけは高いとは・・・益々好みだ」
男を睨みつける瞳も潤んで迫力どころか誘っているようにさえ見えた。
「暴れて面倒だ。亀甲縛りが見たい。お前はできるか?」
側にいた桔梗に男が尋ねると桔梗は頷いて部屋の古風なタンスのところまで行くと引き出しから細いロープを取り出してきた。
この部屋には色々な道具が隠されているらしい。
そのロープを持って戻ってくると光長の体を縛り始めた。
「なっ、桔梗・・やめてくれ」
光長は抵抗したが、2人の男に押さえ込まれるとあっけなく身動きはとれなくなった。
光長の言葉などは完全に無視されて、桔梗は淡々とロープで縛り続ける。
最後に結び目をギュッと締めつけると、身に纏っている緋襦袢に体のラインが透けていた。
「これはいい。普通にするよりもよほど楽しい。このまま家に連れて帰っておきたいくらいだ」
男は嬉しそうに客用の座椅子に寄りかかった。
光長の体の中では桔梗に埋め込まれた薬が溶け出して徐々に苦しめ始めている。
こうして縛られたまま放置されることが何よりも辛いのだ。
次第に体の中が熱くなっていく。
ロープに尻の割れ目が締めつけられて擦れるだけで雄の角度が増していく。
「痛い・・・ほどけ」
光長は体をよじってロープをゆるめようとするが余計に体は締めつけられていった。
「・・・っ・・」
「もっとおとなしくさせてやる」
光長が顔を上げると男の手には鞭のように持ち手がついた細い棒があった。
これもこの部屋に用意されている道具のようだ。
細くなった先端には柔らかい羽のようなものが付けられていた。
男はその棒で光長の尻を打った。
「お客さん、商品に傷だけは付けないようにしてください」
桔梗は事務的に男に注意を促した。
「うるさくしなければ酷いことはしない。それにこれはこの男に触れるためのもので打つために使う訳じゃない」
男の言葉に桔梗は「本当ですね」と確認して男が頷くと桔梗は部屋を出て行った。
桔梗にとってもこれ以上光長の痴態を見たくはないらしい。
彼がいなくなったらこの男は光長に暴力を振るうかもしれない。
光長は恐ろしくなって黙って男の仮面に隠されている瞳を見つめていた。
よく見るとその瞳はどこかで見かけたことがあるような気がした。
「・・あ・・」
それを思い出そうとしていたら、男の手にしていた棒が光長の雄をなぞり始めた。
「やめっ・・・」
襦袢の裾をめくって褌の上でゆっくり上下させると、既に形を変えた雄がびくんと反応した。
本当は嫌なのに体だけが反応する。拒んでいることとは思われずに男に喜んでいると思われることが何よりも辛い。そんなプライドはすぐに砕かれていった。
後ろもぐずぐずとうずき始めてきた。
こんなのは嫌だと思えば思うほど体が熱くなってくる。
男は光長の心を見透かしたように棒を使って光長の体に触れ始めた。
「やっ・・・くっ・・ん」
焦らすようなその行為に光長は体をよじっていた。
棒でところどころ暴かれた場所の肌が露出して、裸でいるよりもいやらしい格好になっている。
男はそれでもまだ光長には触れずに今期強く体中をくすぐっていく。
「ああ・・やぁ・・」
むき出しになっている乳首の上を突かれて体が弓なりに反ると体中を締めつけているロープが更に刺激へと変わった。
こんなことなら早く突っ込まれた方が楽なのかもしれない。
「お前は2日間買ったからゆっくり楽しませてもらうよ」
男の口元が上がるのを光長は呆然と眺めていた。
<「弦月」再び郭部屋にて3へ続く>
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web拍手をありがとうございます。
今日はメンテでなかなかアクセスできませんでした。
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