桔梗は口づけながら花梨の尻に手を伸ばしてその窄まりに指を埋め込もうとしたところ、花梨に拒まれたのだった。
「姉さん怒っちゃうよ。早くしたくを持って行きなよ」
花梨は乱れだ着物を直しながら、自ら仕掛けてきた戯れに終わりを告げるべくぴしゃりと言う。桔梗は一度すっきりさせてもらったが、花梨の誘惑でまだ少しだけ頭がぼ~っとなっていた。
畳んで置いてあった楓の着替えと下着をかき集めて慌てて起ち上がる。
「ちょっと待って桔梗」
見かねた花梨が桔梗の手首を掴んで呼び止めた。
「いくら何でもその格好じゃ酷いだろ」
桔梗の乱れた襟元を直してくれた。
さんじゃくも結び直すと裾の乱れも直る。
「うん、ありがとう花梨」
自分の格好を部屋の大きな姿見で見て、すっかり元に戻っていたので花梨に礼を言って部屋を出た。
風呂場に行くとその音に気づいたのか中から楓が呼んでいた。
「桔梗か?こっちに来て背中を流してくれないか」
「はい、只今」
桔梗は着物を脱いで襦袢だけになると風呂場の中に入っていった。
湯気の中には桔梗が背中を向けて座っている。
きれいな白い背中の中央に一カ所火傷のような小さな傷跡があった。
これならば客にはあまり気づかれない場所だが、白くなめらかな美しい背中に残る傷跡は酷く痛々しかった。
桔梗はそっとその傷跡を指先でたどってから唇を押しあてる。
すると楓の背中がビクンと動いた。
「桔梗・・・」
「楓姉さんのきれいな背中にどうしてこんな・・・誰かにやられたのですか?」
桔梗が悲しそうに尋ねると楓は頷いた。
「初回前のお前は言いたくなかったけど、客の中には変な趣味の奴がいてね。相手が痛みに耐える顔が良いんだとか言っていたぶるんだよ。もちろん店側が知っていればそんな客は出入り禁止だけどね。これはその痕さ。煙草だよ」
「ひどい・・・」
桔梗がもう一度楓の背中に口づけた。
口づけながら子犬のようにぺろぺろと舐めてくれるのを楓はほほえましく思っていた。
「桔梗もう良いから、こっちに来て顔を見せてくれ」
そう言われて桔梗は楓の裸の体の前に座らされた。
露わになった楓の男の印にこんなにきれいでも楓が男だと実感した。
「ここも舐めてくれないか?」
楓に言われて桔梗は頷いた。
さっき花梨にしてもらったから、なんとなく要領は掴んでいる。
そっと手を伸ばして楓の雄を掴んで口に含んだ。まだふにゃりとしたそれは柔らかい。
だが桔梗が思い切り吸ったりゆっくりと舐め始めると次第に形が変わってきた。
「一体いつ覚えたんだ桔梗」
上から優しい視線で見つめながら楓が問いかける。
桔梗はそれでも楓の雄に夢中になっていた。
楓はそんな桔梗の髪を優しく剥いていた。
<「桔梗」5へ続く>
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