部屋の襖が開けられてひょいと顔を見せたのは桔梗よりも半年遅れてこの店に来た花梨だった。
本人はその名前が気に入らないといつもブツブツ文句を言っていたが、ある日を境に文句を言わなくなった。そして後輩のくせに色気が備わっていた。
桔梗は体の火照りが治まらずに自らの雄に指を絡めているところを花梨に見られてしまったのだった。
「あっ」
「いいよ気にしなくても、俺だった男だから体の仕組みはよくわかってるし、何だったら手伝ってやろうか?」
花梨はふっくらとした色白の頬に笑みを浮かべている。
僅かに開いたその胸元が気になって桔梗は花梨から視線を逸らした。
「おや、桔梗って意外に可愛いんだ」
花梨が微笑むとその指先は素早く桔梗の雄に伸ばされていた。
「おとなしくしていればすぐだよ。ほら自分より良いだろ」
耳元で囁くように言われて桔梗はブルッと体を震わせた。
「おや、桔梗のここパンパンじゃない、痛いでしょ。楽にしてあげるよ」
いきなり花梨はそう言うと桔梗の雄に唇を寄せて吸い付いた。
桔梗は驚いて瞳を見開くと慌てて花梨を突き飛ばしていた。
「いたぁ~い・・何すんの?気持ちよくしてあげようとしただけなのに」
「いいよ、そんなの汚いよ。こんなところ舐めちゃタメだ」
すると花梨は口元を上げて微笑んだ。
「おや、桔梗は知らないのかい?俺たち一人前になったら客のここ舐めるんだぜ。それだけじゃなくて咥えたりするんだぜ。それから比べれば全然いいじゃない」
桔梗が唖然として花梨を見つめている。
「だから俺でイケって」
もう一度花梨が桔梗の雄を口に含む。
桔梗は呆然とその光景を眺めていたが次第にそれは例えようもなく気持ちよくなっていく。
花梨は巧みに舌を這わせながら片手で袋の部分をやんわりと揉んでいる。
チュパチュパと唇で吸い上げられて桔梗は花梨の着物の背中を掴んでいた。
「だめっ、花梨、離れて・・・あっ・・いくっ・・・んぁっ」
短く声を発すると桔梗はビクビクと体を震わせながら花梨の口の中に白く濁った欲望を出した。花梨はおいしそうに喉を鳴らしながらそれを吸い取るように飲んだ。
桔梗はそれを見て花梨を押し倒したくなり、その顔を両手で持ち上げると唇を塞いだ。
花梨の舌から桔梗の吸い取られた蜜の味がする。
お互いに子猫がじゃれ合うように抱き合って口づけていた。
<「桔梗」4へ続く>
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web拍手をありがとうございました。
嬉しいです。ちゃんとチェックしていました。
夏コミが終わって、久しぶりの更新ですが更に続きますのでよろしくお願いします。
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