今日がいつで、今が何時なのか全くわからない。
体を起こすと、下腹部に鈍い痛みと違和感があった。
さすがにこたえたらしい。
「いい加減にしないとあの子は死んでしまう」
怒鳴っている声には聞き覚えがあった。
「カマール指揮官?」
ナジムは声をかけてみると
ドアが開いてカマールが制止するアサドを押して入ってきた。
ベッドの上でうとうとと微睡んでいたナジムの頬に触れた。
「大丈夫、私があなたを守って差し上げます」
ナイトのようにそんなことを言うこの男だって、最初に出会ったときにはナジムに酷い仕打ちをしたくせに・・・
最初にナジムに入れたのはアサドではなく、このカマールだった。
「いい加減になさるのはあなたですよ。大体あなたはマラーク様に何をなさったかお忘れではないはず。そんな汚い手で触れられては困ります」
アサドがカマールの後ろに立つと、カマールはアサドを振り返った。
「あれは・・まぁ・・本当に悪かったと反省している。だが、もうあんなことはしない」
「ほう、これはこれは随分と紳士になられたねりですね。でもいい加減その手は離してくれませんか」
アサドがカマールの手を掴んでナジムから離させた。
これは嫉妬なの?
ナジムは呆然とふたりのやりとりを眺めていた。
しかし、あまりに決着がつかず、ふたりとも引く気配がない。
ナジムはついに笑い出してしまった。
するとふたりとも争うのをやめてナジムを見つめた。
「アサドがそんなにムキになるなんておかしいです・・・それに軍服まで着て、あなたも・・・私はあなたにされたことは忘れていませんよ。でも私を守りたいというのならいつでも控えていればいい。今度あんなことをしたら王に言ってクビにしてもらいます」
ようやくカマールが部屋を出て行く気になったらしい。
叱られた忠犬のようにシュンとなったカマールはちょっと気の毒だった。
だがアサドは機嫌が良い。
ナジムに近づくとキスをする。
何度も何度も・・・次第にそれは濃厚なキスに変化していった。
そうするとナジムの体はすぐに熱を帯びる。
「こんなに淫乱なあなたのことを守りたいなどと・・・あの男の目は節穴でしょうか?どこがあの清純なマラーク様に見えるのでしょう?こんなにいやらしい体だというのに」
「ああっ・・・」
アサドはナジムの雄に触れる。
そこは完全に堅く張り詰めていた。
知られたくなくて体を丸めるがアサドは口元を上げて笑った。
「本当に堪え性もありませんし・・お教えしたことも守れない・・・私はあなたに何度もお教えしているはずですよ。そんなにいやらしい体を他の男に晒すなと」
アサドの手がそうさせていることにアサドは気づいているのだろか・・・
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