一体誰がそんなこと決めたんだよ・・・
余裕たっぷりにティーポットを持つ仕草が気障で気に入らない。
マラークはガウンを羽織っただけの姿で立ち上がる。
スティーヴンの横を通り過ぎるとテラスの前に立った。
まるで天使がテラスの前に降り立ったのかと見まがう程眩しい姿にスティーヴンは手をかざした。
「庭へ行きたい」
真っ直ぐに見つめられてティーポットを持ったままの姿でスティーヴンは動けなくなった。
首をかしげながら微笑む天使?それとも小悪魔か?
スティーヴンはゆっくりと近づいていく。
マラークは太陽を背に微笑んだ。
「ねぇ、連れてってくれるの?」
「いいとも」
スティーヴンはマラークの羽織っただけのガウンの前を締めて紐を結ぶと両腕を回して抱きしめる。
そのまま肩に担いだ。
「何で担ぐの?」
「王子様の足を汚したくない」
「あはっ、よく言うよ」
マラークはスティーヴンの背中に顔を押しつけた。
視線を落とすと薔薇の花がきれいだった。
良い匂いもする。
程なくスティーヴンはマラークを東屋まで連れてきた。
自宅の庭だから誰もいないのは当然なのかもしれないが、とても広い。
今日はアビーは休みだろうか?
などと考えているとスティーヴンが
「アビーも今日は休ませた。あまりに刺激が強かったから、お前にはしばらく会わせない」
ああ、どうりで・・・マラークは納得した。
マラークは東屋のベンチに下ろされた。
なぜか周りに薔薇の花びらが敷き詰めてある。
とても良い香りがして幻想的な空間だった。
「足を下ろしてみなさい」
スティーヴンに言われたとおり足を下ろすと、花びらの下には水がありひんやりと冷たくて心地良い。
「この季節にはこんな風に薔薇の花びらで水面を飾る。美容にも良いらしいぞ」
「私は女じゃない」
マラークが頬を膨らませるとその顎を掴まれた。
スティーヴンの顔が近づいて唇が塞がれた。
ベンチの背もたれに押し倒されてスティーヴンの唇はせっかく隠した肌を暴いていく。
紐を解いて露わになった赤い乳首を啄んでいく。
「あっ・・・」
「ここ・・お前は敏感だな」
指先で弾かれてツンと尖ったそこを思い切り吸い付かれる。
「んん・・・」
「なんだ、こっちももう濡れてるじゃないか」
ステイーヴンの手がマラークの雄に触れる。
開放的な庭の真ん中でマラークは白い肌を晒している。
薔薇の花びらに囲まれたその姿は本当に美しかった。
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