前も後ろも同時にスティーヴンに塞がれながら息をするために口を開くとスティーブンの唇で唯一の呼吸場所さえ塞がれた。
スティーヴンの舌がマラークの舌を追いかけて絡みつく。
「ん・・くふっ・・んぁ」
自分でも信じられないほど全身が熱く、溶け出してしまいそう。
後ろから突き上げてくる鋭い凶器みたいな楔とマラークの雄を掴んで何度も擦り続ける手のひら、唇を塞いでくる唇。
限界が近かった。
「イク!」
短くそう言うとスティーヴンの動きが速くなっていった。
「イクぞ」
と短い言葉にマラークは何度も頷いた。
「あっ・・はっくっんんんん」
「・・つ・・・」
ぎゅっと抱きしめてくる力が強くなりその腕の中で性を吐き出した。
同時に体の中にスティーヴンの熱がジワリと広がった。
スティーヴンの蜜がたっふりとマラークの体の中へ注ぎ込まれていく。
「はっ・・あっ・・」
ビクビクとする体の余韻をスティーヴンは指先で探られた。
いたたまれないほど妙な感じがする。
マラークはスティーヴンの腕から逃れようともがくが、その体をより強い力で押さえ込んできた。
「よせっ、やめろぉぉ」
吐き出された蕾の中をスティーヴンの指が入ってくる。
「おとなしくしろ!」
がっちりと抱え込まれたままマラークの蕾の中へ挿れらりた指が曲げられて念入りに中を探った。
「んんんっ・・・ああっ・・ううっ」
スティーヴンが笑う気配がする。
マラークは自分ばかりが感じて笑われていると思い懸命にその腕から逃れようともがく。
もがけばもがくほど指が変な場所に触れて辛い。
するとスティーヴンが耳元に唇を寄せた。
「ここ、掻き出しておかないと本当にマズいから、おとなしくして!」
優しく囁いた。
笑ったくせに・・・
「でも、それ・・いやぁぁぁ」
くねくねと体を動かすマラークがとても可愛くて
スティーヴンは腕の中から逃げ出そうとする猫のようだと続けて囁いた。
マラークはようやく動きを止める。
だが、そうしているとスティーヴンの指がリアルに感じられて辛かった。
「はい、終わり。後はシャワーでも浴びようか?」
「ひとりで浴びてくる」
マラークはスティーヴンの腕の中から抜け出して立ち上がる。
足がブルブルとしてはじめて立ち上がる馬の赤ちゃんのようだ。
スティーヴンがスッと立ち上がるとそんなマラークを横に抱き上げた。
軽々と抱きかかえられる。
「おい、女じゃあるまいし、下ろせ!!」
マラークはスティーヴンの胸を叩くが彼はそのままバスルームへと向かった。
「はい着きましたよ王子様」
足からゆっくりと下ろされてスティーヴンはバスルームから出て行った。
てっきりシャワーまで付き合うのかと思っていたのが、あっさりと戻っていってホッとした反面どこか空しかった。
マラークは宮廷にいる頃からあまりひとりで何かをしたことがなかった。
風呂でさえ従者がマラークの体を洗ってくれた。
自分でシャワーなど使ったこともなかった。
読了、ありがとうございました。
web拍手をありがとうございます。
スティーヴンの容姿について触れてないですね~wwww