今まで誰一人マラークに逆らう者などいなかった。
マラークの体を暴いた者さえいない。
アサドの前では風呂や着替えで裸になることはよくあったものの
見知らぬ男に全裸を見られたことなど初めてだった。
本来ならば羞恥に身を焼かれるような思いをするところだが、マラークは違った。
スティーヴンが自分を自由にしようというのであれば、逆に自分がこの男を思うようにしてしまおうと考えていた。
だが、今のマラークにとってそんなことは考えている余裕もなかった。
ブーンという低い音が自分の尻の中から聞こえてくる。
同時に僅かな振動がはじめて開かれた部分を刺激し続けていた。
スティーヴンは出かけてしまったらしく、部屋へは戻ってこない。
マラークははじめて知った甘い感覚に体を震わせ続けていた。
もう既に吐き出した精がシーツをベトベトに汚していた。
スティーヴンがいないときに達してしまえば、いつまでもそれを取り除いてはくれないと言われていた。
なぜ後ろでけでこんなに体中がゾクゾクするほど気持ち良くなるのかわからなかった。
だが立て続けに襲い来る性の波にあらがう術はない。
これはどう言い表せばいいのかもわからない。
気持ちいいと言うには過酷すぎて、痛いわけでもないのに涙が頬を伝う。
辺りがすっかり暗くなって、ようやくスティーヴンがマラークの部屋へ入ってきた。
「すごいな」
驚きなのか喜びなのかわからないような顔でマラークが横たわっているベッドを見下ろしていた。
「少しは我慢することを覚えたかと思ったが・・・」
ズシリとベッドの縁が沈んでスティーヴンが腰掛けたのがわかった。
マラークの足を開かせながらベトベトのコードの先を弄って振動を止めた。
「ん・・・」
ブルブルと体を震わせていたマラークが涙まみれの顔でスティーヴンを見た。
やがてその頬に大きな男の手が触れて涙を拭った。
「本当に何も知らないなんて呆れたぜ」
コードを引いてスポッと埋め込まれていた丸いものを引き出した。
「ふぅ・・・」
ようやく違和感がなくなってマラークはホッとした。
スティーヴンはそれを手に
「あんまり大人を舐めるとこういうことになるんだ。身をもって知ってどうだ?」
だが、マラークはプイッと顔をそむけた。
お前になど尻尾を振ったりするものか。
「なかなか、美味であったぞ」
背中越しに強がりを言った。
スティーヴンは何も言わなかった。
気になるが振り向くとくやしいのでそのまま背中を向けて次の言葉を待っていた。
するとさっきまで丸いものを入れられていた場所に体温を感じた。
「ひっ!」
丸いものよりも大きいものが押しつけられた。
マラークはそれが何なのか大体わかった。
「やめろ!無礼者!」
「王子様の泣き叫ぶ顔は何よりごちそうだ」
スティーブンはいつの間にかズボンの前から自らの凶器を取り出してマラークに突き入れようとしていた。
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