「大丈夫だ萩之介、私はお前をすぐに良くしてやるから」
月余はそう言って萩之介の着物の裾から手を入れる。
「やはりお前の尻は触り心地が良いのう。女のようだ」
「私は女ではございません。触るのでしたら女の尻でも触ってください」
すると月余はまた鋭い視線で萩之介を見下ろしてきた。
萩之介に見せびらかすようにわざと自らの指を口に含むと湿らせた。
「・あっ・・つっ・・・やぁっ・・・」
いきなり月余が萩之介の尻の狭間に指を突き立てている。
「いた・・・あああん」
痛みに加えていつの間にか自分でも信じられないような甘い声が出てしまったことに
萩之介は驚いた。
「ほう、いい声で啼くではないか」
どうやらその声を月余は気に入ってしまったようだ。
「あんっ・・やぁ・・・」
いきなり風呂の中から大声がする。
萩之介は月余から逃げようと風呂の中に声をかけてみた。
「どうかしましたか?・・・っ!」
同時に尻を浮かせると月余の指先は奥へ入り込んだ。
その指を出し入れしながら月余は萩之介のまだ若い雄に触れる。
くちゅくちゅと湿った音が月の明かりに照らされた庭に響いていく。
「あんっ・・」
なるべく聞こえないように小さな声を漏らすと
月余は嬉しそうに口元を上げた。
おもむろに自らの雄を褌の隙間から取り出した。
萩之介のものとは比べものにならない程立派なそれはもう既に欲望をたたえてそそり立っている。
「お許しください!」
萩之介は恐ろしくなり逃げだそうとした。
しかしあっけなく足を引っかけられてその場に転がってしまった。
月余はすぐに萩之介の腕を掴んでいた。
「風呂焚きがおらぬと風呂が冷めるぞ」
渋々萩之介は竹を拾う。
月余は懐から何やら取り出すとそれを自らの手にたっぷりと垂らした。
「それは?・・・」
萩之介が月余の指先を見つめると月余はその手を萩之介の窄まりへと伸ばした。
「あっ」
短く声を上げる萩之介の体を抱きかかえて月余はたっぷりと萩之介の蕾にそれをつけた。
「油だ。これですぐに飲み込めるはずだ」
自らの猛った楔の上に萩之介の尻を突き落とした。
萩之介は大声を出しそうになるのを月余が自分の指を萩之介の口の中に噛ませた。
大粒の涙が大きな瞳からこぼれ落ちる。
しかし萩之介の体の中に段々と月余が挿っていく様がありありと感じられて
萩之介はイヤイヤと首を横に振り続けた。
「きついな、力を入れるな」
月余は口で萩之介の乳首を啄んだ。
萩之介の背中が弓なりに反る。
その隙に月余は軽く息を吐き出しながらゆっくりと萩之介を広げていく。
全てが埋め込まれると萩之介はボロボロと涙を流し続けた。
その頭を月余が優しく撫でている。
「動くぞ」
月余の言葉にまた首を横に振るが
月余は下から自らの欲望を抜き差しし始める。
ぐったりとなって萩之介は月余にもたれかかる。
月余は大切そうに萩之介の体のあちこちに口づけながらゆすり続けた。
萩之介の中でそれが次第に何か違う感覚へと変わっていく。
いつの間にか両腕は月余にしがみついている。
「可愛い奴め」
月余はその唇を吸った。
「ちょうど良い湯加減であったぞ。満足だ」
いきなり風呂の中から雅秀の声が聞こえてきた。
とっさに正気で答えねばと萩之介は精一杯の声を返した。
「ありがとうござ・・いました・・っ・・」
するともう一度月余がその唇を吸う。
次に入るで者は先程の雅秀だったのでしばらく風呂には誰も来なかった
それを良いことに月余は何度も萩之介を啼かせた。
萩之介は月余が去る頃には呆然としていた。
この日の風呂はこの後ぬるかったと兄弟子達に文句を言われたが
萩之介は自らの順番にようやく風呂に体を沈めると
月余の府米ささやきを思い出して
あんなに出した欲望の蜜をもう一度自らの手で絞り出していた。
「どうして・・・月余様ぁ・・・」
萩之介は後日、長野への道のりを歩くどころか歩くことさえままならない腰痛に襲われた。
そのとき普段笑わない月余が微笑んで見えたのは気のせいだったのであろうか?
<「蜜月」海中にてに続く>
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