萩之介は道場でもまだ見習いで剣術よりも雑用を多く言いつけられていた。
この日は風呂焚き当番で先輩達が全て終わるまで自分の番は回ってこない。
上から順に風呂に入るため、今頃は4番目の光長あたりだろうと考えていた。
「お風呂加減はいかがですか?」
「ああ、ちょうど良い」
声をかけると不思議と光長ではなくもっと下の雅秀の声が帰ってきた。
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[1回]
広い風呂場なので数人ではいることもある。
きっと光長もそうしているのだろうと気にも留めずに風呂焚きに専念した。
「萩之介ご苦労であったな、おかげて良い湯加減であっぞ」
そう声をかけてきたのは光長よりも一つ先輩の月余だった。
光長も剣士にしては線が細く女のようにしなやかな体躯をしているが
この月余もあまりがっしりとした体躯ではない。
それどころか長い髪をあまり結いもせずに垂らす姿はまるで女のようであった。
「ありがとうございます。そう言っていただけると頑張っている甲斐がございます」
「ところでお前は光長と一緒に長野に行くそうだな」
月余は萩之介の横にある石に座り込んだ。
「あ、はい。お供させていただきます」
「そうか・・・」
このとき萩之介には月余の瞳が鋭く光って見えた。
だがすぐにきっと気のせいだと表ながら竹で火を噴いている。
「・・・っ!!」
そのとき萩之介の尻に月余の手が伸ばされて下から尻を揉まれた。
「な、何をなさいます!!」
「しっ!風呂に聞こえてしまうぞ」
「はっ!」
大声を出してから月余にそう言われて萩之介は片手で口を塞いだ。
だがすぐにその手は月余に掴まれて唇を吸われて
萩之介は両目を見開いた。
動きが止まると月余はゆっくりと離れながら
真っ赤になってボーッとしている萩之介の体を抱きかかえた。
「なぁにすぐに慣れるさ」
そう言うと萩之介の着物を開いてまだ触れられたこともないような
可愛らしい胸の飾りに唇を寄せて吸い付いた。
「ああ、おやめください!衆道は御法度です」
「何を言っておる・・・風呂の中の声に耳を澄ましてみるがいい」
月余にそう言われると中から何やら色っぽい声が
少しだけ漏れ聞こえてくる。
(まさかあの雅秀様と光長様に限ってそんなことあるはずかない)萩之介は自分にそう言い聞かせながら立ち上がろうとした。
<「蜜月」風呂焚き場にて2に続く>
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