(月余(つくよ)と萩之介)
萩之介は師範の奥方に頼まれて納屋で来客用の器を探していた。
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[1回]
普段はあまり入ったことなどない場所だが、子供のころに育った商家の納屋を思い出して懐かしい。
小さな窓から日の光が差し込むだけで辺りは薄暗かったが、昼間なら怖くもなかった。
そんな床にごろんと横になるとうとうとと眠気が訪れてついうっかり眠ってしまった。
「萩之介・・萩之介・・」
誰かが自分を呼ぶ声が聞こえてうっすらと瞼を開けると既に差し込む日の光が茜色に染まっていた。
「はっ、しまった」
飛び起きるとその体を誰かが抱えていることに気づいた。
「月余様」
振り向くと痩身に長い髪を後ろで束ねた月余が萩之介の体を抱いている。
「あ、申し訳ありません」
慌ててそこを離れようとするが月余は萩之介の体を離してくれない。
「あの・・・月余様?」
萩之介の中であの風呂焚き場での出来事が甦る。
バッと顔を赤らめると月余は嬉しそうに目を細めて顔を近づけてきた。
萩之介はぎゅつと瞼を閉じると程なく柔らかいものが唇に触れて吸われる。
「んっ」
月余は萩之介の唇を吸っていた。
どうして月余様のようにきれいでお優しい方が私なんかを・・・
なんで口を吸われているだけでこんなに体がだるく力が抜けてくるのであろう?
「萩之介・・・」
耳元にくすぐるような甘い声で名前を囁かれると背筋から何かがこみ上げる。
「月余様私をからかっていらっしゃるのならもうおやめください」
虚ろな瞳で月余を見ると月余は一瞬悲しそうな顔をした。
「まだわかってもらえないのならばもう一度わかってもらうしか」
と抱いていた萩之介の体を床に押しつけて着物の腰帯を解いていく。
「あの・・・月余様、おやめください」
萩之介が戸惑うと解き終わった帯を床に落とした。
帯がなくなり褌もほどかれると萩之介のまだ未熟な体が露わになった。
月余の視線が萩之介の体に注がれる。
「お前のことが忘れられない」
その体の上に覆い被さりながら月余が苦しそうに呟いた。
「お前のここも、ここもそしてここも毎夜毎に思い出しては辱める夢を見る」
と萩之介の胸や雄、その後ろの蕾に触れた。
「私なんかお相手なさらなくても月余さんなら女もたくさんいらっしゃる」
萩之介がそう言って微笑むと月余が唇を噛みしめる。
「たわけが」
「あっ・・おやめください!!お許しください・・ああんん」
月余が萩之介の口に自らの雄をねじ込んだ。
「さあ、萩之介私を良くしろ。お前は一生私の側で奉仕させてやる」
「んん・・ふふ・・・」
瞳を見開いて首を振るとおもむろに萩之介の雄を握り込まれた。
「んんん・・・くく・・・」
「どうした?気持ちいいだろ?私も気持ちよくしてくれ」
月余のまっすぐな髪が萩之介の顔にヒヤリとあたる。
萩之介は口に入れられた月余の欲望が既に硬くなり始めたことが
嬉しくてそれを舐めることに集中し始めた。
ふと気づくと月余がすごく優しい瞳でそんな萩之介の顔を見つめている。
萩之介の胸の中にじわりと熱いものがこみ上げる。
(月余さま・・・)
月余の瞳を見つめると口の中の月余の容量が増していくのがわかった。
月余は剣術にも優れ、美しく優しい男であるのに自分なんかを相手に選ぶとは・・・
よほど一つ下の光長様の方がお似合いなのに・・・
月余の顔を見つめながら月余の欲望を咥えていると、それは既に口には入りきれないほどの容量になっていた。月余の指先が萩之介の蕾の辺りをしきりに探っている。
これで貫かれることに喜びを覚える日が来ようとは萩之介は思わなかった。
それだけで体中がぞくぞくするのだった。
<「蜜月」納屋にて2へ続く>
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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます。
内容がディープなのですが応援していただくと大変嬉しいです。
また最近1話完結型じゃなくて申し訳ないです。
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