久雪の唇が月余が残した赤いあざの上をなぞっていく。
萩之助はなぜかそれを見て悲しくなってきた。
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[1回]
久雪は楽しんでいると言うよりは辛そうな目をしている。
ふと久雪の瞳が萩之助を映し出すと久雪の動きが止まった。
「そんなに俺が嫌いか」
萩之助の両目からは涙が流れ続けていた。
冷静な声で問いかけられて萩之助は首を左右に振っていた。
「いいえ、私は悲しいのです」
久雪はそんな萩之助から体を離すと両手首を拘束していた紐を解いた。
しかし萩之助は逃げずに久雪に抱きついた。
「私がいけなかったのです。月余様と一緒にいられてのぼせ上がっておりました。本当はあのお方は私なんかが触れられるお方ではありません。ごめんなさいもう月余様とは会いませんから許してください」
久雪の背中がビクリと動いた。
萩之助の顔を見ようとして体を離そうとするが萩之助は久雪の着物にしがみついて離れなかった。
「萩之助・・・お前・・」
「ごめんなさい。もう私は・・・」
久雪はそんな萩之助の頭をポンポンとたたきながら呟いた。
「俺が悪かった。月余様がお前を好いていることは知っていた。だが認めたくなかったのだ。そんなに泣くな。俺が月余様に叱られる」
「いいえ、私は決めました。もともと修道など禁止されていること。もう・・それ以上は何も言わないでください」
萩之助は久雪の瞳をじっと見つめた。
久雪はそんな萩之助に引きつけられるようにその唇を吸っていた。
最初は軽いはずの口づけが萩之助が求めるように久雪の舌に自らの舌を絡めてくるのでいつしかその行為に夢中になり始める。
萩之助も何もかも忘れたくて夢中で久雪の鎖骨に唇を這わせると、久雪はそんな萩之助の体を床に倒した。
(こんなことをしてしまったらきっと月余様に・・・)
とは思っているが萩之助は久雪にしがみついてくる。
いつしか体中が熱くなり萩之助の背中を掻き抱いていた。
「お前から誘ったことを後悔するなよ」
久雪が萩之助の桜色の乳首を吸うと萩之助の頬が赤く染まった。
「あなた様が忘れさせてください。私は一人で忘れられるほど強くない」
「萩之助・・・」
まだ幼さが残る萩之助の雄に口をつけてやると萩之助の背中が弓なりに反った。
「ああ・・んん・・」
「そんなにいいか萩之助」
次第に久雪のそれは激しいものへと変わっていく。
「あっ、んん・・ううくふぅ・・」
萩之助の雄を加えながらその後ろの蕾に指を入れると萩之助の声が高くなっていった。
「萩之助?」
突然屋根裏部屋の扉が開かれた。
そこに立つ月余が萩之助を見つめると萩之助は妖艶な瞳で月余を見つめながら微笑んだ。
「ああ・・つく・・よ・・さまま・・・わたしは・・もう・・よごれてしまった・・さよなら」
月余はずかずかと近づいて久雪の肩をつかんでその頬をはり倒す。
頬を打たれた久雪はなぜか辛そうな顔のままうつむいた。
月余が萩之助を抱きかかえると萩之助は月余を両腕で突き飛ばした。
「萩之助?」
月余が瞳を見開く。
萩之助は意地悪く微笑んだ。
「私はあなたが思っているほどきれいな人間じゃないです。どうぞもう放っておいてください。私はここにいる久雪が好きなんです」
しかし月余はもう一度萩之助を抱きしめていた。
「私は何があってもお前を離さないと言わなかったか、お前の心変わりも同じだ。久雪悪いな。これは私のものだもらっていく」
そう言って萩之助を立ち上がって自らの肩に担いだ。
「おろしてください、月余様」
「諦めろ萩之助。お前の負けだ」
久雪がおもわずそう言って微笑んだ。
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