「・・・・」
翼が風呂場からタオルを巻き付けて濡れた髪を拭きながら出て来た。
それから羽根を見つけて呆然と見つめた。
「羽根・・・良く帰ってきたね」
とまだ裸でタオルしか巻いていない格好で抱きついた。
う、なんだかなぁ・・・
羽根は抱きしめられながら複雑な表情になった。
「ただいま兄さん」
「うんうんお帰りおかえり・・・」
とその頭を抱えて顔中に口づける。
まるで自分の子供にでもするような愛情表現に黙って見つめていた蒼空は苦笑する。
「もう・・兄さんったら」
羽根は無理矢理翼の体を両手で押した。
ようやく離れた翼はまだ名残惜しそうに羽根に両手を伸ばしていた。
その前に蒼空が割り込んで翼の腕をとらえて自分に巻き付ける。
翼はそれでもニコニコと羽根を見ていた。
「ごめん・・・俺邪魔だったみたいだね」
羽根はチラッとベッドの様子を見てから頬を赤くする。
「ああ、てっきり当分帰ってこないと思っていたのに」
蒼空があっさりとそう言うが翼は微笑みながら蒼空の頭に手を乗せた。
「いや、全然大丈夫、お前も大人だし別に見られても減るもんじゃねぇから」
ガハハハハと笑う翼を蒼空は呆れた顔で見つめながら
「見られながらする方がいいっていうなら俺はかまわねぇけど」
「や、俺はあんまり見たくないって言うか・・・」
蒼空の言葉に羽根は更に顔を赤らめる。
「いっそのこと3人でやらねぇ?」
羽根が心配していた言葉が翼から出るのはわかっていた。だがそんなこと蒼空がOKするはずはないと思っていたのだが・・・
「ふーん、そういうのもありかもね。俺が一番気持ちいい思いできそうだな」
どういう意味だろう?
羽根は首を傾げると耳元で蒼空が囁く
「俺は翼に刺されてお前に刺すんだよ」
「そ、そんな・・・」
羽根の顔が更に真っ赤になった。
けどそれじゃ翼には何の得もないじゃないか?と思っていたら
「当然翼はお前を可愛がるよ、兄弟だからさ」
それを効いた羽根は既に体が熱くなり始め手いることに気づいた。
<「恋占い」翼の部屋にて3へ続く>
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