兄の翼をたたき起こして、羽根はシャワーを浴びていた。
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
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今日は仕事を休むことにしていたので羽根は全く仕事へ行く準備はする気がない。
一方翼も今日は午後から出れば良いと言って羽根の部屋でごろごろしていた。
羽根がシャワーを浴びて短パンにTシャツといったラフな格好で出てくると、翼は座ったまま手を伸ばして羽根の手首を掴んで引き寄せた。
バスタオルを首にぶら下げたまま濡れた髪を拭いていた羽根は、バランスを崩して翼の上に倒れ込んだ。
「もう、危ないでしょ!」
翼は微笑みながら講義する羽根の濡れた髪をバスタオルで拭く
「まあまあ、俺が羽根の髪を乾かしてあげるから」
子供の頃はよくこうして羽根の濡れた髪を拭き取りってくれたことを思い出して羽根が微笑んだ。
「何か懐かしいね。でも俺もう子供じゃないよ」
と翼からバスタオルを引っ張った。
「オイオイいいじゃねぇか。これが兄ちゃんの楽しみなんだから」
楽しみと言われると余計にタオルを強く引っ張る。
「なんかそれやだ」
「羽根!」
2人は子供のように1枚のタオルを取り合っている。
次第にそれがおかしくて、羽根は笑い出すと翼も同時に笑い出した。
「もうさ、こんなんどっちでもいいや」
諦めたのは羽根の方だった。タオルから手を離すと翼はそのまま羽根の頭の上でくしゃしくゃとタオルで水分を拭き取った。
「・・・」
そのまま頭にかけられていたタオルを強く引き寄せられて気がつくと羽根の唇に翼の唇が重なっていた。
フワリと触れた感触がペチャリと湿った感触に変わった。
翼は大きく口を開けて舌を伸ばして羽根の唇を舐めている。羽根が僅かに口を開くとすぐに口の奥まで探られるような深いものへと変わっていった。
まだ起きたばかりでだるい体を翼の体にもたれかけると翼はタオルから手を離して、羽根の体を抱きしめた。
羽根がハッとして翼から体を離すと翼は羽根の唇を追って顔を寄せてきた。
「兄さん!!」現実に引き戻すために少し強めにそう呼ぶと、翼はようやく羽根から離れた。
大体、兄が自分を溺愛しているのは知っていたけどキスはやりすぎだ。
羽根は呆然と兄を見つめている。
「羽根・・・」翼は辛そうな顔を羽根に向けたが羽根は兄から目を逸らしてそれ以上の言葉を許さなかった。
これから長い時間を供に過ごさねばならないのにその均衡を崩したくはなかった。
<「恋占い」羽根の部屋にて5へ続く>
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