「まいったなぁ~羽根。すごく恥ずかしいこと君は言っているよ」
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[0回]
部屋の入口から聞き慣れた声がした。
泣き濡れている羽根の近くにその男は歩いてきた。
乱れた和服の美しい男を見て一瞬立ち止まるが、すぐに羽根に手を伸ばした。
「鈴木財閥の跡取りはゾッとするほど美しいと噂には聞いたことがあったけど、ここまでとは知らなかった。もし俺が羽根よりも先に会っていたら・・・いやそれはないか・・・」
その男桧山雫は苦笑しながら部屋の中に入ってくると羽根を抱きしめた。
「今は羽根以外は目に入らないから残念だけど・・・それにしても君もきれいだね」
雫は美波にウインクをした。
美波も苦笑しながらその男を見上げた。
「あなたが翼の言っていた羽根君の恋人でしたか・・・桧山さんいいえ本当は昔お会いしていますよ。でもその頃あなたは私に見向きもなさらなかった。現に覚えてもいないでしょ」
雫はそう言われてじっと美波を見つめた。
「もしかして昔藤の大木の下で女物の着物来てた?」
その言葉に美波はコクリと頷く。
「思い出したよ。まだ子供の頃俺はあれは藤の木の精だとばかり思っていた。だってこの世のもんじゃねぇほど美しかったんだぜ」
雫はそう言うと笑った。
美波もつられて笑う。羽根だけが雫の腕に抱かれて複雑な表情を浮かべていた。
何だよこの展開・・・俺の告白一体何だったんだよ・・・
そんなことを考えている羽根の頭に雫の手のひらが乗せられた。
その指先はいたずらに羽根の唇に何度も触れる。それだけで全身が熱くなっていくのを羽根は懸命にこらえた。
バカ・・・野郎・・・。
目の前にいた美波が着物をたぐり寄せながらしっかり襟元を調えて紐で簡単に留めた。
「体の気持ちよさに変わる心の痛みか・・・ちょうど良いじゃないか。羽根君、君の心からの気持ちよさを今僕の目の前で見せてくれるか?」
「えっ?!」雫に抱きしめられたままびっくりして美波を見つめると、かれは長襦袢姿のまま長い髪を後ろで束ねた。
そのひとつひとつの仕草が美しい。
「だから俺と羽根で証明して欲しいって話だよ。羽根良いじゃないかお前はみられるのが好きだし、君も交じればなお良い」
元々変態気質があるしずくは意気揚々と羽根の着ているものに手をかけた。
「あれ?そういうこと?もう・・・わかりましたそれであなたの気持ちが変わるなら俺は別に・・・雫とならどこでだって・・・その」
羽根はそう言いながらも顔を真っ赤にしていた。
美波はそんな羽根を見てクスッと笑った。
その笑顔がまた美しい。
「羽根、どこ見てるの?」
雫が強引に羽根の頬を掴んで口づけてきた。
そのまま服を脱がされていく。美波に見られていることで体が熱くなっていく。
嫌だ・・・やっぱりすごく恥ずかしい・・・こんなきれいな人に見られるなんて・・
雫が羽根の下着を脱がせると羽根は思わず両手で前を抑えた。
雫はその手首を掴んで羽根の隠された部分を逆に美波に向けた。
「あっ・・しずく・・いや・・」
羽根は更に赤くなって顔を美波から背けた。
「可愛い人ですね」美波が優しく微笑むと雫は余裕たっぷりに
「参加したくなったらいつでも歓迎するよ」とニヤリと笑った。
<「恋占い」美波の家にて5へ続く>
にほんブログ村
読了、お疲れさまでした。
web拍手をありがとうございます。
ブログ村の更新の調子が悪いようです。
更新されていてもブログ村では更新されていないことがあります。
PR