最後にデザートが運ばれてくる頃には羽根はお腹がいっぱいになり、ワインも入って気分が良くなっていた。
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
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こんな風にお腹いっぱい食べることも久しぶりかもしれない。
目の前に盛りつけられたベリーソースの甘酸っぱい香りがお腹いっぱいでもなおも食欲をそそる。羽根が銀色に輝くスプーンを手に口に運ぶと、雫はまたニコニコとそれを見つめていた。
「雫は食べないの?これおいしいよ」
とスプーンに載せたデザートを正面の雫の口元に運ぶ。
雫は少し驚いてから嬉しそうにそれを口に入れると、羽根の手を掴んだ。
「限界だな・・・」
雫は羽根の指先に口づけながらその指を一本一本舐め始めた。
その仕草がとても艶めかしく羽根は腰の辺りがムズムズしてくる。
「雫・・デザートの方が美味しいよ」
と手を引こうとするが、雫は一層その手を強く引く。
「俺にはどんな料理よりも羽根の方がごちそうだ」
歯が浮くような台詞をさらっと言われても、今の羽根はワインのおかげでふわふわとしていた。
片手であくびを隠しながら
「しずく・・・俺なんかすごく眠くなってきた」と持っていたスプーンがテーブルの上に落ちても、雫は羽根の指を舐めている。
瞼が重く目を閉じそうになるのを必死にこらえながらも指先で感じる雫が羽根の全身に徐々に火をつけていく。
「眠ってもいいよ。俺が部屋まで運んであげる」
羽根を抱き上げようとする雫の横から急に朱鳥が現れて羽根を抱き上げた。
「とんでもございません。雫様は先にお風呂にでもお入りくださいませ。私が運びます」
「いいよ俺が運ぶ」
このまま朱鳥に羽根を連れて行かれたくなくて雫がそう言うが朱鳥は
「お着替えとお体を拭いて差し上げますのでその間、ゆっくりお風呂へどうぞ」
と羽根を渡そうとはしなかった。確かに部屋まで運ぶには距離もあるし汗を掻いてしまうかもしれない。そう思った雫は
「わかった」と朱鳥に羽根を預けるととぼとぼと風呂場へ歩いていった。
朱鳥は羽根を抱きかかえながら2階の羽根のために用意してある一版奥の部屋まで抱いていく。確かに羽根は男としては軽いが、この屋敷は広くなかなかの重労働だった。
大きな天蓋つきのベッドの上に羽根の体を投げ出すように置くと朱鳥は自分のネクタイを緩めてボタンをいくつか外す。
「全く・・・自覚がないから困ったものですね。幸い私の入れた睡眠薬が良く効いたみたいで良かった」
羽根はぐっすり眠っている。朱鳥はそんな羽根の服を脱がせていった。
「ほう、全く・・・」
朱鳥は羽根の体に新たな痣ができているのを見てゆっくりと首を左右に振った。
「あのお方にも困ったものですね」
朱鳥は一度洗面所に行くと濡れたタオルを手に戻ってくる。
ゆっくりと羽根の痣の上に押しあてると、羽根が眠ったまま口元を緩めて体を縮めた。
朱鳥はため息を吐きながらその唇にキスをしてからクスッと笑う。
「罪がないから罪なんですよ」
<「恋占い」監禁部屋にて4へ続く>
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