沖田は何回もセキュリティの厳しいドアを社員認証カードやテンキーで開けながら最後に指紋認証で扉を開けてようやく彼の研究室にたどり着いた。
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[0回]
かなり重要な研究をしていると見える。
確かにこれだけセキュリティが厳しいと出入りするのも面倒かもしれない。
「さあ、どうぞ」
光長はそういう沖田の顔を見つめていた。
「やっと着いたって顔してるね。まあ、慣れればどうってこと・・・なくないね。シャワールームや寝床もあって俺は殆どここに住んでるって言っても過言じゃないよ」
沖田はくしゃくしゃと頭をかいた。
その研究気質が光長は少し羨ましかった。
「これだけセキュリティが厳しいと出入りは面倒ですよね。中にいれば出られなくなることはないですからね」
光長も笑うと「そうなんだよ。君とは話が合いそうだね」「はい」
この会社に入って気さくに話せそうな相手に始めて出会えて光長は心底嬉しかった。
「そうだ、もし風間さんさえよければ食事もここでしませんか?俺こうみえても料理上手いし、酒もおいてあるんです」
「風間さんじゃなくて光長でいいですよ。それは楽しそうだ。色々とゆっくり話もできそうで楽しみです」
光長が嬉しそうにそう言うと沖田も
「俺のことも翔太と呼んでください。年齢は当然俺より下だと思うけど気にしませんよ。俺は今年で30歳になります」
「へえ、もっとずっと若く見えますよ。失礼ですが僕と同じくらいかと思いました。僕は28歳です。でもそんなに違わないですね」
光長は肩をすくめながら笑った。
「じゃあまず食い物作らないと何が良いですか?和食、洋食、中華とか」
翔太が奥に行って冷蔵庫を開けながら素材を確認している。思っていたよりも豊富に物が入っている。
「すごいなぁ、何でもできるんですね。一番得意なのか簡単なのでいいですよ」
光長は冷蔵庫を見ながらそう言うと「じゃああれだな」翔太は冷蔵庫から適当に食材をピックアップしていった。
それを手に持って平台のところまで歩いてきた。
光長もその隣に立った。
「何か手伝うことはあるかな?」
「いや、疲れてるんだしお客さんだから、できるまでそこのソファーでくつろいでいていいよ」
翔太は奥に置かれている大きなゆったりとしたソファーを指した。
光長は言われたとおりに「それじゃあ邪魔にならないようにここにいるよ」と座った。
翔太は気さくで光長は昔から知っている友人のように接することができて嬉しかった。
「きれいな肌しているな。髪もきれいだ」
翔太が囁く声で光長は待っている間にゆったりしたソファーで眠ってしまったことに気がついた。びっくりして飛び起きると翔太がぴったりと横に座っていた。
「はっ、すみません寝てたなんて」
間近に寄せられた翔太の顔にドキリとしながら体を起こそうとすると、その体を翔太がソファーの背もたれに押した。
「いいよリラックスして。俺は君みたいなきれいな男は久しぶりに見たよ。眠っていると本当にきれいだね」
「あ、いやそんな。それにきれいと言われてもそんなに嬉しくはないというか・・・」
褒められて顔が赤くなる。翔太の顔を間近でよく見ると一見軟弱そうだが顔は自分とは対照的に凛とした眉や目鼻立ちをしていて男らしい顔立ちをしている。
「君、男としたことあるでしょ」
突然そんなことを言われて光長はすぐに否定することができなかった。
「あ、やっぱりね。俺はそっち側の人間じゃないけどこれなら男でも良いと思うよ」
翔太の手が光長の頬に触れる。なんだか雲行きが怪しい。
元はと言えば自分が眠ってしまったからいけないのだが・・・せっかく友人だと思ったのにここでまた関係を壊すのは気が引ける。
「あの、翔太さん恋人は?」
光長は空気を戻そうとわざと女性の話題を振ってみた。
「先月ふられたばっかりで、ちょっと溜まってんだよね。一回で良いから相手してくれない?」
やぶ蛇だった。そう言うことだったのかと光長は納得はしたものの「うん」とはそう容易に答えられない。
翔太が光長の顔を目の前で覗き込んでいた。
「本当にきれいだね」
同時に唇が塞がれてしまった。すぐにその唇は開かれて翔太の舌が光長の口腔内を動き回る。
ああ、俺また流される・・・光長はそのまま瞳を閉じると翔太はそれを合意ととらえた。
<「弦月」支社にて5へ続く>
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読了、お疲れさまでした。
web拍手をありがとうございます。
項目タイトルを失敗しました。支社にてじゃ長くなってしまいそうです。
あとでこっそりと変更するかもしれません。
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