「おはようございます。新しく入社しました風間光長です」
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[1回]
光長は受付で挨拶をすると受付嬢は笑顔で対応した。
「おはよう風間君、昨日は初日早々ご苦労だったね」
面接時に一度面識がある山浦部長が直々にやってきた。
普通はもっと直属の先輩とかが出迎えるものだと思っていた光長は少し驚いた。
「おはようございます。昨日は大変申し訳ございませんでした。」
丁寧に頭を下げると山浦は光長の肩をたたいた。
「何を言ってるんだね、初日早々良くやってくれたよ。おかげで滞っていた月本との商談がまとまりそうだよ」
「はあ・・・」
いきなりそんなことを言われてふと昨日の月余がこの会社にとって重要な人物だと言うことに気がついたのだった。
月余には世話になりっぱなしで、はずかしさのあまり簡単なお礼を告げて出てきてしまった。
後日きちんと礼をしなければいけないな。
などと思っているとしきりと誰かに話しかけられていた。
「風間君?」
「あ、すみませ・・はいよろしくお願いします」
勢いよく頭を下げてから顔を上げるとチャコールグレーにペンシルストライプのスーツを着た男がいた。
どこかで会ったことがあるような気がする。
「俺は森本、森本雅秀。皆には雅と呼ばれている。よろしく」
顎に少し髭をはやして少し長めのクセの強い黒髪をワックスか何かでワイルドに流している。
光長は一瞬ファッション雑誌か何かから出てきたような印象を受けたのでそのせいだと思った。
差し出された手を取ると軽く握手をした。
「基本的にはしばらくこの森本君と一緒に仕事を覚えてもらうからそのつもりでね」
山浦はそれだけ告げると
「それじゃあ頑張ってくれたまえ」
と自分の部屋へと戻っていった。
「じゃあまず説明するわ」
森本は先に立ってエレベーターのボタンを押した。
間もなく電子音が鳴りエレベーターのドアが開くと2人で乗り込み22階を押した。
すぐに扉が開くといくつも並ぶ商談室の一部屋に森本が札を使用中にして入るとドアを閉めた。
すると突然森本は光長の尻に触れてきた。
「なっ?!」
驚いて振り向くとすぐ近くに雅秀の顔があった。
「いや、君って良い匂いがするんだね。思わず朝から興奮しちゃったよ」
耳元で囁かれて光長は鳥肌がたった。
怯えるような瞳でもう一度間近にある雅秀の顔を見て
全身がガダガタと震えだした。
「やっと思い出してくれたね。俺、君の中でそんなに印象が薄いのかと思ってショックだったよ。エレベーターでも一緒だったのに」
後ろに後ずさる光長にじりじりと間合いをつめながら雅秀はニヤリと笑う。
「どうする、大声出して逃げ出すか?」
奥の壁に突き当たった光長は雅秀のキラリと輝く瞳を見つめていた。
<「弦月」商談室にて2へ続く>
にほんブログ村
読了、お疲れさまでした。
web拍手をありがとうございます。
J庭のパンフレット買いました。すごいですね~友人のスペースにいるかもしれません
PR