ようやっと風呂場の脱衣所にたどり着くとそこには先回りした萩月が既に着物を脱いだ格好で、ほっぺたを膨らませて足をぶらぶらさせながら座っていた。
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[1回]
「2人とも遅いですよ~待ちくたびれちゃった」
桔梗が萩月のすんなりとした細くて長い足に思わず目をとられていると横から楓が萩月を叱った。
「いくら身内だからってそんな格好でウロウロしていたらダメだろ」
「あ、ごめんなさい」
素直に謝った萩月に楓が軽く萩月の頭を小突いくと笑顔を向けた。
桔梗はわざと楓の後ろに立って楓の帯を解き始めた。
「姉さん急いでるんでしょ」
いつもの桔梗らしくない言い方に萩月が不思議そうに顔を覗き込む。
「あれ?桔梗は僕にやきもち焼いてるの?楓姉さんとられちゃうって」
「バカなこと言ってないで早く手伝え」
桔梗が萩月を促すと萩月も一緒に楓の着物を解き始めた。
豪華な重みのある帯を解いて金糸の刺繍のある豪華な着物が楓の肩から落とされると
すんなりと華奢な体に赤い緋襦袢姿を見て桔梗はまた昨晩のことを思い出す。
「もういいよ」
楓がそう言うと自ら襦袢を留めている紐を解いた。
「じゃあ私は先に行ってお湯加減を見ていますね」
萩月が先に風呂場に入っていった。
緋襦袢を脱ぐと白いもち肌に所々赤く残された痕跡に桔梗は目が離せなかった。
白く丸い尻に男の指の後が残っている。
「くっ」
桔梗は楓の背中からその体を抱きしめた。
「桔梗、汚いから私に触れるな」
冷静に低い男の声でそう言われて桔梗の動きが止まった。
その間に楓は風呂場に向かう。
「客との事を見たから仕方ないかもしれないが、私は商品だ。私を抱きたきゃ金を払うことだ。この間のことに甘えているならあれは芳生に頼まれたことだから勘違いするな」
背中越しに冷たくそう言い捨てられて桔梗は呆然とした。
楓にとって自分が客と同じだとは思わなかった。
ずっと姉さんは自分のことを可愛がっていてくれて、その上でこの間手ほどきしてくれたのだと思っていた。でも違うのだと気づいてしまった。
でもそれならばどうして口づけしてくれたんだろう?あれも嘘?違う姉さんは僕に嘘をついているんだ。
桔梗は風呂場に行って萩月に背中を流させている楓を見つめながら両手を握りしめていた。
<「桔梗」21へ続く>
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