「楓さんすごい・・・こんなにああ・・熱い」
桔梗は一番奥までその楔を埋め込むと楓に覆い被さってその耳元にささやいた。
楓は口開いたままとろんとした瞳で視線も定まっていない。
桔梗は楓の細い腰を抱えたまま後ろに腰を下ろした。
「ああ・・んくう・・」
楓が桔梗の上に串刺される格好になり更に奥へと楔が打ち込まれて声を上げた。
桔梗は今まで何も知らなかったはずなのになぜこんなに追い詰められるのか・・・
楓は後輩の桔梗に翻弄されている自分が情けなかった。
だが刺激を繰り返されると頭で考えているようにうまく行動ができない。
「やっ、そこ・・んん・・あああ」
さんざん自分で弄っていた雄も少し触れられただけではち切れそうになっている。
そこに桔梗の指が回されて上下されるともうそのままいってしまいそうだった。
楓はプロだからあまり客の前でそんな姿を見せたことはない。
客を追い詰めることはいつものことだが、自分が追い詰められることはそうそうない。
それなのに桔梗は楓を追い詰めていく。
「楓さん・・気持ちいいですか?僕もすごくいい・・これはまずいです。あなたに溺れてしまいそうです」
女も口説いたことがないくせに桔梗は一体いつこんな口説き文句を覚えたのだろう。
耳元で繰り返される睦言と下から繰り返される刺激で楓は今にもいってしまいそうだ。
イヤイヤと左右に首を何度も振りながら桔梗の雄を掴んでいる手をはがそうとするが、思ったよりも力強い桔梗の手はびくともしない。
「ああ・・だめぇ~!!」
「だめですよ楓さん、わかりましたこの手は離しますのでまだいかないでください」
そう言われて楓はぐっと我慢した。
それでも少しの刺激で今にも破裂してしまいそうだ。
すると今度は下の桔梗がゆっくりと楔を抜き取った。
楓が少し驚いたように桔梗を見ると桔梗は優しく微笑んだ。
悔しいけれどこれが子供の時から育ててきた桔梗だと思うと複雑な心境になってくる。
「楓さん、顔が見たいです」
桔梗はそう言って楓の背中を布団に倒した。
ゆっくりとその両足を広げながら抱え上げると今更のように楓は恥ずかしくなってくる。
その蕾に桔梗は楔を打ち付けた。
「ああ・・んうう・」
「やっぱりこの方が良いですね。楓さん」
楓の顔のあちこちに桔梗は唇で触れてくる。
ただ一カ所唇を除いて。
しかし動き始めると楓は桔梗にしがみつきながらその背中に爪を立てていた。
「ああ・桔梗・・もう・・んん・だめぇ」
「じゃあ一緒に・・ああ」
桔梗は短くそう言うと息を詰めて楓を思い切り抱きしめた。
楓も何度もだを体を痙攣させたように震わせると自らその唇が桔梗の唇を塞いでいた。
(楓さん?!)
<「桔梗」10へ続く>
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