アサドはベッドの上で伏せったままのナジムに冷たくそう言った。
愛がないから、体だけだからこうして酷いことができるんだ。
ナジムはそう言われてもベッドから体を起こす気にはなれなかった。
「したいようにすればいい」
精一杯の反抗だった。
これまでどんなに抵抗しても、結局どうにもならなかった。
確かにマラークがいなくなってしまったのには自分がここに来たせいだったのかもしれないが、
だからってむやみに快楽を強要され続けると開き直りたくなる。
「ほう、拗ねてるんですか?これはめずらしいこともあるもんですね」
口元に笑みを浮かべながら顔を覗き込んできた。
両手がベッドの上に置かれている。
ナジムが顔を背けるとアサドはクスッと笑う。
「したいようにすればいいとおっしゃたのはあなたです。私のしたいようにさせてもらいます」
するとナジムの目の前が急に暗くなった。
目隠しをされたらしい。
これでは何をされるのかわからなくて、逆に緊張する。
心臓の鼓動がやけに大きく響いてくる。
別にアサドのすることに期待しているわけでも何でもない。
だけどアサドの体が自分のどこにふれてくるのかと考えていると、更にその心臓の鼓動が早鐘のように早まっていく。
アサドの手はなかなかナジムには触れてこない。
五感が研ぎ澄まされていくのがわかる。
今アサドにどこかを急に触れられるときっとビクンと反応してしまいそうだ。
触れるなら早く触れればいいのに・・・
ナジムは体を硬くしていた。
アサドが僅かに笑う声が聞こえる。
どうして触れないのかと思ったら、この状況を楽しんでいるに違いない。
それで触れたとき、体が反応すればきっとまたあざ笑う。
そんなとこだろう。
「ひゃっぁ」
アサドの舌がナジムの耳の中を舐めた。
首筋から半身が硬くなると、アサドの片手は胸の尖りをきつくつまみ上げた。
「もうこんな二堅くしてるなんて・・・」
やはり嘲笑まじりに低い声で耳元で囁く。
「ピンク色で小さな粒が堅く尖っています。こうすると更に赤くなる。ぷっくりとふくらませてまるで誘っているようです」
言葉だけで細かく表現されると、カッと顔が赤くなる。
「あっ・・んっ・・」
ナジムの舌が今度はその乳首を舐め上げてから唇で弄ぶ。
「ここは咬みちぎってやりたくなるんです」
と軽く歯を立てられて、下肢が反応をはじめた。
「やっ・・め・・・いたいっ」
少し強めに噛まれて背中が弓なりに反った。
「痛くて気持ちいいなんて・・・あなたはマゾですね。それならもっと痛いことして差し上げます」
とナジムの指が強引に尻の狭間をなで始めた。
「ひっ・・いっ・・・」
強引にならすこともしないで、指先が蕾にねじ込まれた。
軽い痛みに目眩を感じた。
それなのに前は完全に堅くなってしまった自分の体が悔しかった。
アサドの笑う声が聞こえた。
「やっぱり痛い方が興奮するんですね。そうだ、いっそのことそうおっしゃってください」
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