「今食べておかないと、腹が減るから私が食べさせてあげよう」
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[1回]
竜一は月深の皿を手前に引き寄せてその上にのっている肉を切る。
月深はゴクンと唾を飲み込んだ。
「さあ、食べなさい。これは命令だ」
その男の瞳には優しさのかけらもない。
ただ、冷たく脅しているとしか思えない。
月深が口を開けずにいると、フォークに刺さった肉を唇に押しつけてきた。
「さぁ、口を開けなさい」
月深のきれいな唇を肉のソースで汚していく。
それでも強情に口を開かない月深に竜一は一度肉を皿の上に置いた。
「強情だな。そんなところは鳥取組の血を引いているんだな。まぁ、好きにしろ」
ニヤリと笑う男はとても楽しそうだった。
「汚れたな」
月深の顎を捕らえると顔を寄せて唇についたソースに舌を伸ばした。
竜一の舌が月深の唇をねっとりと舐めていく。
月深は瞳を見開いて竜一を見下ろした。
少しでも体を動かそうものなら後ろに立っている
黒いスーツの男達がすぐに動く。
月深は一度開いた瞳を伏せると竜一の舌が去っていくのを待った。
その間体中が総毛立つ。
不快以外の何ものでもない。
だが、竜一の舌は離れるどころか唇が吸い付いてきた。
強引に吸われて僅かにほころんだ唇の隙間にスルリと舌がねじ込まれてしまう。
月深の舌が奥に逃げるとそれをどこまでも追って絡め取った。
まるで蛇に絡みつかれているような不快感。
それなのに一度とらわれてしまった舌は執拗に嬲られる。
いつの間にか月深は大きく口を開けさせられて口の中いっぱいを竜一に舐め回されている。
まるで体中を舐め回されているように脳から伝わる。
(いやだ・・・)
この男から離れたい。
不快すぎて吐き気がする。
それなのに体がいうことをきかないのは、最初に口にしたワインに薬が入れられていたのだろう。
月深はある程度の予想は付いていた。
この男はずっと月深に言い寄ってきていたから・・・
<「更待月」月の砂5へ続く>
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