月余が遠くを見つめながら呟いた。
「確かに私はあの頃、心から笑ったことがなかった。その心をお前に見透かされたようだった」
そんな甘い言葉をかけられると萩之介の体は余計に体温が上がっていく。
埋め込まれている月余の楔に自らの襞が吸い付くように密着すると
「こら萩之介・・・」
月余が少しだけ苦しそうな声を漏らした。
「私を満たしてくれるのはお前だけだ・・」
与えられる声はどこまでも甘い。
そして体に刻まれる月余の痕跡も・・・
こんなに甘やかされると自らがダメになってしまいそうで怖い。
それなのに月余は離してくれないのだ。
「お前の言葉がうれしくてひとりぼっちだった私に光をもたらした。ああ、萩之介絶対に離れないと言ってくれ。さすれば楽にしてやる」
「つくよ・・さま・・私ははなれ・・ません・・」
「そうか」
「はい」
月余は萩之介の唇を塞いだ。
同時に埋め込まれている月余の雄がドクン大きくなったのがわかる。
萩之介は月余の背中にしがみつきながら不器用に腰を揺らした。
月余は少しだけ驚いたがすぐにその腰を持ち上げると自らの腰を突き上げた。
「あああああっ!!」
萩之介が大きな声を上げると月余は続けて腰を何度も突き上げた。
ああん・・こわれ・・るぅ・・・」
萩之介の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。
それでも月余は萩之介の体を揺すり続け、やがて萩之介はその体を小刻みに震わせながら何度目かの絶頂を迎えた。
月余は萩之介の体を思い切り抱きしめて自らも欲望を放った。
お互いが密着して離れられないような錯覚さえ感じるほど長い時間抱きついていた。
<「蜜月」雅秀1へ続く>
にほんブログ村
読了、お疲れ様でした。
web拍手とブログ村ボタンを押していただいて嬉しいです。
本当に驚いています。ありがとうございます。
PR