「声をかけるまで誰も入ってくるな」
と脇についてきた黒いスーツに身を包んだ用心棒みたいな男達にそう言うとドアを閉めた。
豪華な革張りのソファーに優翔を座らせて自分は向かい側のソファーに座って
テーブルの上に置かれていた葉巻を取り出した。
「優翔かそのままの名で店に出でもさしさわりはないな」
勝手にそんなことを決められる。
どうせここまで来た以上名前がどうのとか考えたことはない。
それよりも今この男からどうやって逃げ出すかという方が問題だ。
嵐は葉巻に火をつけるとソファーによりかかって足を開いた。
「どうするかわかるだろ?」
目を細めながら葉巻の煙を吐き出す。
優翔はソファーにもたれかかったまま肩肘をついてそっぽを向いた。
「自分で仕組んでおきながら、これで満足か?」
「ほう、思ったよりもおもしろそうじゃねぇの」
嵐は葉巻を口に咥える。
「やっぱりギャラリーを呼んだ方が良いみたいだな。人がせっかく気を使ってやったのに」
とパチンと指を鳴らすとすぐにドアが開いて待たされていた男達2人が部屋の中に入ってきた。男達は嵐が何も言わなくても黙って優翔の両腕と体をソファーに押さえ込んだ。
「おいおい、傷はつけるなよ大事な売り物だからな」
とソファで足を組んだ。
優翔は両腕を背中で押さえ込まれて頭も革張りのソファーに押しつけられた格好になった。
「くそっ!一人じゃなにもできねぇのかよ。お坊ちゃま」
優翔が押さえ込まれたまま毒づくとその頭をグイッとソファーに押しつけられた。
「何とでも言え。どうせお前はここで性奴として一生を終えるんだ」
嵐は葉巻を灰皿でもみ消すとクイッと顎を引いて男達に合図した。
男達は手際よく優翔をソファーから引きずり下ろすと着ていた服をはぎ取っていく。
「やめろっ!このっ!変態野郎!!」
いくら暴れたところで良く鍛えられているがっちりとした男2人に押さえ込まれてしまうとどうにもならない。
正面では嵐が薄笑いを浮かべながら優翔を見ていた。
「お前が一番屈辱的なことは何だろう?」
ソファーの肘掛けに肘をついて顔を載せながら優翔が裸にされていく様子をじっと見つめた。
やがて下着さえもはぎ取られて生まれたままの姿で押さえ込まれた優翔に嵐が近づいてきた。
ツーッと指先で背中から腰までなぞられてゾワリと粟立つ。
「きれいな体してるじゃねぇの。縛ったら跡が残るよな。そうだ、このままこいつらにおさえさせておくか」
黒いスーツ姿の男がひとり優翔の両腕を後ろ手に抱え込んでいた。
嵐は一度奥にあるデスクに向かって引き出しを探った。
「あった」
何かを取り出すとそれをもうひとりの男に手渡した。
「使い方はわかるな」
すると手渡された男が頷いた。
男の手には細い管とチューブのようなものが持たれている。
ちょうど病院の点滴を繋ぐもののようだ。
同時にチューブに入った軟こうのようなものを取り出したそれを指先につけた。
優翔が呆然と見つめていると優翔を押さえ込んでいる男が優翔を跪かせて足を開かせる。
それによって股間の雄が丸見えになった。
「くっ!何を・・」
そこにもうひとりの男が近づき雄に触れる。
「やめっろ!この変態!!」
男は優翔の雄の先端にチューブの軟こうをつけた。
「おいっ!なんだこれ!!」
「うるさいなぁ、おとなしく良い子にしてねぇと痛くするぞ」
嵐はまたソファーに座ると優翔の様子をじっと見つめた。
一体何をする気なんだよこいつら・・・
優翔は嵐を見つめた。
<「更待月」アルベド3へ続く>
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