早速部長室に呼ばれて蒼が羽根に大きな部長机の前でそう言った。
「はい・・何とか生きてます」
羽根が苦笑すると蒼は机の横から席を離れて羽根の隣に立った。
蒼の両手が羽根の頬を包み込んだ。
「少しやつれちゃって、可愛そうに酷い事されたんでしょ。わかってるわあいつドSですもん・・・羽根君私が早速癒してあげるからね」
と羽根の唇に自分の唇を重ねようとするのを羽根は顔を背けて拒んだ。
「やめてください!別にそんなことないですから」
「へぇ~」と蒼は急に鋭い視線で羽根を見つめながら羽根の股のあたりに手で触れた。
「うっ・・」羽根はそのまま蒼の顔を見上げる。
「私はあなたが可愛いのよ。羽根・・せっかく会社に来てくれたんだから私の部屋でゆっくりさせてあげるからね」
「いいえ、あの・・ちょっ・・・僕は・・仕事を・・ああ」
そう言う羽根の体を蒼は触りまくる。
そのまま羽根が足下のソファーに倒れ込むと、蒼は嬉しそうに羽根を見下ろして立っていた。
「今日は随分ときっちりしたスーツを着ているのね。窮屈そうだから全部脱ぎなさい。これは部長命令だからね。あーらきけないならまたあなたの上司を呼ぶけどいいの?」
また山田が呼ばれれば以前と同じ結果になる。
このまま呼ばれなかったとしても、羽根にとって不利な状況には代わりはないのだが・・・
“あなたに魔の手が伸びようとしていますが、今は安全です。でもその場所から一歩でも外に出たなら、あなたの体を保証するものはありません。十分注意が必要ですので気をつけましょう。”今朝見た占い結果を急に思い出した。
魔の手ってこのことだったのだろうか・・・
蒼は羽根に自ら全てを脱ぎ捨てる要求をした。
羽根はソファーに座ったままゆっくりとスーツのジャケット、ネクタイ、Yシャツ、ベルト、ズボンを脱ぎ捨てた。
下着一枚になったところでようやく蒼は「いいわよ」と止めてくれた。
じゃあ今日はこれを着て一日仕事をすること。
と着替えと靴を渡された。
「これって・・・」
「女子社員用の制服よ。今度改良してね私がデザインさせたんだけどみんなに見てもらうためのモデルを探していたのよ。美津濃君によく似合いそうだったし」
と嬉しそうに笑った。
<「恋占い」職場にて5へ続く>
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