「こんなにきれいな顔とすかした容姿のお前を一度死ぬほど汚してやりたいとずっと考えていた。今こんな風にかなうなんて思わなかったけど・・・お前・・・」
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[1回]
雫は朱鳥の体に腕を巻き付けながら呟いた。
朱鳥は睨め付けるような瞳で雫を見上げている。
この恨みは一生忘れないといったような怖い瞳だが、後ろから突き上げられるとその瞳も潤んで逆に色っぽく見えた。そんな朱鳥は雫を煽っているようにさえ見える。
羽根は2人の男がベッドの上で絡み合うのを霞んだ瞳で眺めていた。
ようやく自分は2人から解放されたかと思うと薬の眠気がまた一気に戻ってきていた。
羽根はそのまま意識を失うように揺らされるベッドの端に沈んだ。
雫は朱鳥への行為を続けていた。
こんな状況でも最初出した声依頼泣き叫ぶ声をあげない朱鳥を何とか啼かそうとその体を突き上げる。
ガクガクと体を揺らされても唇を噛みしめてその声をぐっとこらえている朱鳥の筋肉質な胸に吸い付いた。
弄られたことさえない胸の飾りを歯でカリカリと噛まれると朱鳥はその背をしならせる。
さすがにそんな刺激は朱鳥にとって初めての快楽だった。
溺れそうになる両手をぐっと握りしめながら雫の体には触れまいとして必死にこらえる。
もしも雫の体にこの腕を絡みつけてしまったなら、きっと戻れなくなる。
それなのに雫は意地悪く朱鳥の体を攻め続けた。
「いい加減素直に啼けばいいものを。俺はお前を虐めたい訳じゃないんだ。ただ、お前のきれいな容姿が寂しそうな時があるだろ」
その言葉に朱鳥の瞳がハッとする。気持ちを見透かされたようで怖かった。
朱鳥が無表情なのは自分の感情を殺しているから。
雫が羽根を好きなのを知っていたからわざと羽根も汚した。けど本当に朱鳥が想い慕うのは紛れもなく雫だった。
それを隠すためにいつからか無表情になってしまった。そうすれば感情を押し殺すために苦労せずに済む。
今だって一度雫を受け入れてしまったら溺れてしまうかもしれない。きっとまた雫に抱かれることを望んでしまう。だが、今は雫の気まぐれでしかなくて金輪際こんなことは起こらない可能性の方が高い。
だったら、この感情は永遠に葬り去らなければならない。
そのためにも絶対に雫に屈してはならない。例え自分が羽根を滅茶苦茶にしても自分は雫に滅茶苦茶にされてはならないのだ。
「はっ・・・」
気がついたら雫の楔は朱鳥の中に埋められたまま雫が静かに朱鳥を見つめている。
そんな風に見つめられると気持ちを隠すことが難しい。朱鳥はプイッと顔を背けた。
だが、雫はその頬に手を添えながら唇を塞ぐ。
そんな風にキスされたら、何もかもが崩れ去ってしまう。
雫の熱く強引な口づけに朱鳥の心が大きく揺らいだ瞬間だった。
もう、いい加減解放して欲しい・・・閉じた朱鳥の瞳から涙の雫が流れ出すと雫はようやく朱鳥へ埋めた楔を揺すってその中で達した。同時に朱鳥ももう一度達する。
既に外は白ばんで夜明けを迎えていた。
長い夜だった。
<「恋占い」監禁部屋にて12へ続く>
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