ドアを開けるとそこにはラフな格好にボストンバックを手にした男が立っていた。
※ここからは18歳以上の方のみどうそ
[0回]
「羽根久しぶり」
「久しぶりって1ヶ月会ってなかっただけじゃない」
という羽根に翼は大げさに両手を広げて華奢な弟を抱きしめた。
それから顔中にキスをする。
それを見ていた雫は大きな声でわざと咳払いをした。
「おや、誰かいるの?さっきはいないって」
「ああごめん。さっきまでは本当にいなかったんだけど、急な来客だったから・・・」
と羽根は雫の方を見た。
「何か迷惑だったかなぁ~」
雫はわざとそんなことを言いながら翼をじっと見つめる。
翼の方も雫をギロリと睨んだ。
「俺がいない間に羽根に変な虫がつかないか心配で心配で・・・」
「あの翼・・・」
羽根が翼の腕を掴むと翼は嬉しそうにその手を離した。
「大丈夫だよ羽根、別に何もしないから。ただ、久しぶりの再会はあんまり邪魔して欲しくないだけだ」
と翼は雫のいる部屋に近づいていく。
「ほう、随分と弟君にご執心なお兄さんだな。わかったよ今日は帰る。まあ、せいぜい羽根の体をいたわってやることだな。」
雫は羽根の横を通り過ぎながら玄関に向かった。
「じゃあ羽根、ゆっくり休んで明日また来るよ」
「あ、はい・・いえ大丈夫です。何か本当にごめんなさい」
少しだけ頬を赤くする羽根に雫はその頬に触れながら口づけようと顔を寄せると、今度は翼が大きな咳払いをして雫は不機嫌そうに振り返った。
「まあ、とりあえず・・・おやすみ」
と口づけるのを諦めてドアを開けた。
もう一度羽根を抱き寄せながらその額に口づけてからその手を離した。
「おやすみなさい」
羽根の顔を見て口づけたい衝動を懸命にこらえながら背を向けて出て行った。
「なんだあれは?!!」
ドアが閉まるとすぐ後ろに両方の腰に手をあてた翼が立っていた。
羽根は苦笑しながらそんな兄の横を通り抜けようとすると、差の手首を強く掴まれた。
「羽根・・・」
羽根は手首を捻り上げられて痛さに顔を歪めた。
「兄さん・・・」
「何度言えばわかるんだ羽根。翼と呼べ。それから・・・」
と羽根の股間をグイッと掴んだ。
「うっ、やめて!!」
羽根は体を捻って避けようとして逆に捻り上げられた手首の痛みに顔をしかめた。
「・・・っ・・・」
<「恋占い」羽根の部屋にて3へ続く>
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