わずか数日の使いの旅路だったが、思った以上に長く疲れるものだった。
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[3回]
そんな旅から道場に戻って2日目の晩、満月が明るくきれいな夜だ。
光長は以前から夜部屋を抜け出してはたまに納屋でひとり酒を飲むことがあった。
今夜も月を眺めながら酒でも飲もうかと片手に杯と酒の瓶を提げて納屋に向かった。
納屋の戸を開くと微かな音とうめくような声が聞こえてきた。
声のする奥をそっと除いてその場から動けなくなってしまた。
納屋の小窓から月明かりが漏れる床に2人の人影が見えた。
一人はしなやかな痩身に背中まで流れる長い黒髪を後ろで束ねてある。
光長の兄弟子にあたる月余だと思われる。
月の光を浴びたその横顔はこの世の者とは思えないほど妖艶で美しい。
一方その月余の下には床に仰向けに横になった若者が見えた。
開いた着物の裾からまだ未熟で柔らかそうな肌が覗く。
「萩之介?」
月の光に照らされた顔を見て思わず光長が呟くと同時に光長は口を誰かに塞がれた。
「・・・っ・・」
慌ててガタンと音を立てると
「誰かいるのか?」
萩之介を優しく見つめていた月余の瞳が鋭く光長の隠れている方向を見た。
「チュー」
光長は口を塞がれたまま、ベタな鼠の鳴き声だと思ったが月余はほっとしたように
「鼠か」
などとあっさりと騙された。
塞がれた時からこれが誰の手なのか光長にはわかっていた。
ヘタに抗えばまた気づかれてしまう。
光長は自分の口を塞いでいる男、雅秀を見つめた。
雅秀は口元を上げて笑うと視線で月余と萩之介を見ろとばかりに合図する。
光長が2人に視線を戻すと月余はゆっくりと萩之介の帯を解いて着物を開く
萩之介の肌が月に照らされて青く浮かび上がった。
月余がその胸に唇を落とせば萩之介がビクンと動いた。
「ああ・・・月余さま・・・好きです」
萩之介の高い声が呟くと月余が嬉しそうに目を細めて口づけた。
「・・・!」
光長の着物の中に雅秀の指先が入り込んでおもむろに花茎を掴む
同時に耳を舐められて崩れるように雅秀の体にもたれかかる。
声や物音で2人に気づかれてしまう。
そう思った光長は雅秀に抵抗はできなかった。
ただ瞳だけで雅秀を睨むと雅秀はまた笑った。
雅秀の片手が光長の顔を2人に向けると
月余は萩之介をゆっくりと貫いているところだった。
萩之介も鼻にかかった甘い声を出しながらそれを受け入れている。
お互いが好意をもって行うからこそ萩之介の顔が嬉しそうに輝いて見える。
だが目を覆いたくなるような淫らな景色に光長は首を振った。
雅秀も光長の蕾を探りあてて指先で何度も突かれると
危うく声を出しそうになり自らその口を塞いでいた。
雅秀は楽しそうに光長の体中に触れていた。
<「蜜月」納屋にてpart2-2へ続く>
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