桔梗の瞳が驚きに見開かれている。それを見ると何だが少し楽しくなってきた
。もう少しだけ桔梗をからかってみようという悪戯心が光長を動かしていた。
「なんで?」
問いかけてくる桔梗の言葉には応えずに彼の着ていた着物の襟元に指先を滑らせた。
しなやかな滑りの良い素肌に触れながら胸にある引っかかりに気づいて人差し指で転がすと桔梗はすぐに顔を赤らめていった。
「やっ」自分から仕掛けておきながら体勢が逆になると逃げようなんて都合が良すぎる。
光長は構わず桔梗の胸の尖りを摘んで引っ張った。
「あっ・・・」
桔梗が甘い声を洩らす。光長は桔梗を見つめながら自分も雅秀の前ではこんな風に誘うような顔をしているのだろうか?
桔梗に触れながら冷静に彼の反応を観察する。
片手を裾の間に入れて桔梗の内股に触れてみるとビクンと体全体の緊張感が伝わってくる。
それをほぐすようにゆっくりとその肌を撫でていく。
「なにを・・・何をしたいんです?」
光長がしばらく桔梗の肌に触れながらその反応を楽しんでいると、桔梗は段々焦れてきたのか光長の手首を掴んだ。
「本当は知らないんじゃないの?やり方」
桔梗の口元にはいつの間にか余裕のある笑みが浮かんでいる。
乱れた着物姿のまま掴んだ光長の手首を押さえ込んで体勢を逆転していく。
光長はベッドに押さえ込まれて、その上に着物裾を開いた桔梗が素足で跨っている。
体勢は逆転したものの桔梗の姿の方が遙かにいやらしく誘うような格好だ。
光長は上に跨っている桔梗のふっくらと丸い尻の狭間に、膝を立てて触れてみた。
スラックスの生地を通してもフワリと柔らかな感触がそこに伝わる。
「やっ、よせ」
桔梗が慌てて片手を離して尻を覆った。片手が自由になった光長はその手で桔梗の跨っている前の部分に触れてみた。
「あんっ・・・やっ」
体勢が不利だと気づいた桔梗だったがもう遅く、もう片方の手も光長から離れる。
桔梗はそのまま光長の上に状態を倒してきた。
桔梗の顔が寄せられて光長の唇にふわりと柔らかな桔梗のふっくらとした唇の感触があたった。
光長は膝先で桔梗の股間に触れながら、桔梗の口づけを受けていた。
遠慮がちに伸ばされてきた桔梗の薄い舌先は、光長の整っているきれいな唇を開かせようと何度も伸ばされる。光長が唇を開かせて間から舌を出して桔梗の舌を口の中に招き入れると、桔梗はその光長の舌にそれを絡めていった。
光長の足が桔梗の柔らかな部分を擦りながら次第にそれが強められると、桔梗の雄の形が変化していった。同時に桔梗の口から漏れてくる吐息も甘い声が交じり始めた。
一体どっちがどうやって攻めていくのかわからない単なる戯れのつもりだったのに、光長の雄もすっかり起ち上がって興奮している。
こんなつもりじゃなかったのに・・・光長はふとそう思った。
桔梗は何がしたいんだろう?それとももしかしたらこれは罠?
すっかり興奮した桔梗の瞳は虚ろで光長をうっとりと見つめている。
光長のスラックスに手をかけてベルトを外してファスナーを下ろすと全てを脱がせていく。
露わになった光長の雄に口づけてからゆっくりと舌を這わせながら口に含んでいった。
「ああ・・」
思わず声を洩らすと桔梗は巧みな舌使いで光長を追い詰めていった。
流石に桔梗は上手かった。光長の雄のくびれている部分をぐるりと舐め回してから裏筋をゆっくりと舐めていく。光長は桔梗の長い髪をかき上げてその顔を見つめていた。
それだけで堅さが増した。
桔梗の小さな口が光長の雄でいっぱいになるのを見て、光長は征服感を覚えた。
桔梗の顔を自ら吐き出した蜜で汚してやりたいと思った。
その小さな頭を両手で固定すると苦しそうな顔の桔梗の口の中で腰を振る。
彼が唇を閉じるようにすると程なく程なく絶頂が訪れる。その瞬間に雄を口から引き抜いて押さえるとわざと桔梗の顔にかけた。
光長の蜜で汚された桔梗を見て光長は満足した。
「気が済んだの?」
光長がハッとして桔梗の顔をタオルで拭ってやって、きれいになると桔梗が意地悪く口元を上げた。
「あ、いや・・・すまなかった」
「別に謝らなくてもいいよ。でも俺もまだ中途半端なんだよね」
硬く張りつめたままの桔梗の雄が光長の腰に押しあてられた。
「・・・っ・・」
桔梗の考えている事に気づいても、自分のしたことを考えると何も言えなかった。
<「弦月」再び商家にて3へ続く>
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