ごくんと喉を鳴らして光長の欲望を飲み込んだ花梨は何もなかったかのように口元を拭った。
光長の視線は白く細い花梨のうなじを呆然と見つめている。
目の前にあるしなやかな曲線の背中がゆっくりと体を起こす。
「どうですか?」
とにっこりと微笑んだ。
そう言えばたとえ作り笑いでも彼の笑顔を初めて見たような気がする。
まだ自らの雄が花梨の目にさらされていることに気づいて、光長は慌ててバスローブの裾をかき合わせた。
「どう見てもあなたの方が年上なのに」
花梨はゆっくりと立ち上がった。そのまま部屋の奥に行く。
「とても可愛らしい方だ、ついその顔を泣かせてみたい衝動に駆られます」
光長は花梨を目で追っている。
花梨は優雅な仕草で赤く上質な生地でできた着物のようなものを持って戻ってきた。
「だから社長はあなたにちょっかいを出すんですね。失礼します」
花梨は光長の後ろに膝を付くと背中から光長の着ていたバスローブを脱がせた。
「さ、体を洗って差し上げます」
「自分で洗うからいい」
光長がバスローブをぎゅっと握りしめると花梨の少しあどけなさが残るような可愛らしい大きな瞳が光長を間近で覗き込んできた。
「いいえ、隅々まで洗わないと叱られます」
思わずバスローブを握りしめていた手が緩むと簡単にはぎ取られた。
花梨の目の前に光長の体が無防備に晒された。
「さあ、こちらへ」
花梨が先に立って光長の手を引っ張った。
光長は花梨に導かれるまま部屋の一番奥にある風呂場でシャワーの温かいお湯を体にかけられていた。朝起きてから一回流したばかりなのにまた花梨に洗われるとは思わなかった。
しかもたった今花梨に欲望を処理してもらって何となく気まずい。
花梨は自らも裸にタオルを腰に1枚巻いているだけの格好だった。
光長の視線はどうしても柔らかそうなふっくらとした尻を追ってしまう。
「さあ、ここに手をついて尻を突き出してください」
「なっ?!」
とまどっていた光長に花梨は無理矢理手を掴むと壁に手をつかせて立たせた。
尻を突き出す格好に顔がカッと熱くなる。
「だから一人じゃ無理だって言ったでしょ」
花梨は少しだけ強い口調になると光長の尻の肉をぐいと掴んだ。
「やっ」
光長が花梨を振り返ると花梨は光長の尻の間を覗き込んでいた。
またしても検分されるように見られて光長が手を離して花梨に向き直る。
「もう、やめろ」
花梨の肩を掴んで壁に押しつけると花梨の華奢で小柄な体は簡単に光長の思い通りになった。
花梨の口元に浮かぶ笑みに光長はカッとなってその顎をつかむと顔を覗き込んだ。
「あなたの中はちょっと見られたくらいで男を欲しがるように口を開けてましたよ。
何なら私が少しだけ入れて差し上げましょうか?」
耳元で誘うように囁かれて光長は余計に花梨を押さえつけていた手に力を込めた。
「うっ」
しかし花梨の膝が光長の雄を蹴り上げて直ぐに体制が逆転した。
「なぁ~んてね。すみません少しからかいすぎました。時間がありませんから少しおとなしくしていてください。その間に私があなたをきれいに磨きます。」
花梨は一度うずくまっていた光長を尻目に風呂場の隅の棚まで何かを取りに行き、何かを手に戻ってきた。
うずくまった光長の両手を掴むとガチャンという金属音がした。
光長がその手を見ると手錠がはめられている。同時にその体を床のタイルに押しつけて四つん這いにさせられた。
「あうっ」
光長がうめいても気にせずに花梨はシャワーソープで手を泡立てた。
「少し優しくすると調子に乗って、面倒だから少し手荒ですが我慢してください」
花梨が光長の尻の狭間に指先を突き入れた。
「やっ、・・っ・・」
シャワーソープで滑りやすい指先は簡単に光長の蕾の中に吸い込まれた。
すぐにその入り口を入念に指先で洗う。
「い・・やぁ・・・」
もどかしいような指の動きに光長の腰が揺れた。
花梨はそれでもおかまいなしに洗い続けた。
「出すんなら早く出しておいてください。洗ったらもう汚されたくない」
花梨は事務的にそう言うと光長の雄にも手を伸ばした。
「んん」
そんな花梨の仕草に感じている自分が悔しいけれど、触れられたり見つめられたりしているだけで体が熱くなっていく。
両手を拘束している手錠が動くたびにガチャガチャと金属音を鳴らした。
<「弦月」郭部屋にて3へ続く>
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横に拍手レスBBSを貼り付けたんですが文字がバクってるみたいです。。。
あとカウント方法変えました。ダブルに入ってもカウントしなくなりました。
今更気づいた。。。
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