悔しいけど、そんな姿を見られて言い訳などしてもしょうがない。
ナジムは指示棒から手を離してアサドを見上げた。
「もう・・・やめて・・・」
アサドは横に服を置くと、ナジムが座っていたベッドに近づいた。
「誰がそんなことしろと言ったんですか?やめるも何もあなたの好きにすればいい。けど、もう服は汚さないでください。そんなに汚らしいもののシミなど服に付けている王子様なんて聞いたこともないですから」
またしてもバカにするような笑みを浮かべて見下ろしてくる。
早くこんなもの抜いて欲しい。
そう思いながらアサドの顔を見上げていると、アサドが手を伸ばしてきた。
一瞬何をされるのかと瞼を細めると、意外にもその指先はナジムの桃色に染まった頬に触れた。
「ひとりで弄るのは飽きましたか?私にして欲しいのでしたら、ご自分の口からそう言ってくださらないとわかりませんよ」
優しく触れた指先は、そのままかすかに首筋をたどりながら鎖骨まで降りて胸の飾りの手前で止まった。
期待していたナジムの体は触れられてもいないのに、乳首がツンと硬くなった。
「期待してましたか・・・本当にいやらしい方だ」
アサドは呆れたように首を左右に振ると、一度離れていった指先でナジムの窄まりに刺さっている指示棒の持ち手の部分を軽く弾いた。
「あんっ・・・んん・・」
突然与えられた刺激にねじ込まれた窄まりの奥がジンとした。
前で立ち上がっている雄の先端に透明の蜜がにじみ出す。
たまらずに自分の雄に指を絡めようとしたところで、アサドの手がその手を掴んだ。
「もう、ご自分でなさるところは結構です」
そのまま横にいたアサドの顔を見上げながら、ナジムは左右に首を振った。
「もう・・・お願いです・・許してください」
潤んだ瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。
アサドはその顔に息を飲んだ。
ナジムの手を掴んでいた手がゆるめられて、ナジムの手が自由になった。
「それもあなたの手口ですか」
だが、それもほんの一瞬の出来事で、すぐに冷たい陶器のような顔に戻った。
「そうやって泣きつけばみんなあなたの思い通りになったんですか?生憎私はそんな手には乗れません」
アサドはナジムの座っているベッドの横から細い紐を取り出した。
ナジムは何をするのかと、ただ黙ってアサドの手元を見つめていた。
「えっ・・そ・・んな・・ああ」
だが、すぐにアサドが何をするのかを理解して抵抗する。
アサドはナジムの起ち上がっている雄の先端をその紐で縛ると、器用に袋の部分にもその紐を回して縛り上げた。
縛り上げられたナジムの雄は堅くなったまま先端からジワリと透明の蜜だけをにじませた。
「姑息な手を使おうとした罰です。さて、そのまま服を着せます。くれぐれもシミなどつけぬように気をつけてください」
シュルシュルとシルクの音がして気がつくとアサドはナジムに服を着せ終わっていた。
気になる股間もゆとりのあるパンツのおかげで目立たなかった。
だが、ナジム自信の辛さは続いていた。
締め上げられて欲望をはき出せずにいるナジムの雄は少しの衣擦れでも反応した。
「さあ、立ってください。マラーク様のところに案内してください」
と言われて立ち上がると先端に布が触れて過剰に反応してしまった。
「ああっ・・・いっ・・・」
唇を噛みしめてアサドの顔を見たが、アサドは冷たい視線を向けたまま
「何をしてるんですか?早く歩いてください」
と尻の窄まりに差し込んでいた指示棒で尻を突く。
ナジムがゆっくりと歩き出すと、後ろから指示棒で足の間から締め上げられている袋の部分を突いた。
「ひっ・・いや・・やめてっ・・・ああ」
ジンッとした痛みと同時に甘い痺れが先端に広がった。
股間に小さなシミがついた。
アサドはそれを見てまたニヤリと笑った。
「ほう・・・」
何も言われなくても、アサドが何を言いたいのかわかる。
足を動かす度に雄と袋の紐が交互に吊れて刺激が加わった。
自然と尻を振るような格好で歩いてしまう。
それをアサドは後ろから眺めながら歩いていた。
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