バタン!と扉が開いた。
裸で押さえ込まれたナジムが部屋の入口を見ると肩から包帯を巻いたアサドが立っていた。
「アサド生きてたの・・・」
ナジムが目に涙を浮かべた。
「誰が死んだなどと言いましたか?相変わらず甘い方だ」
アサドは苦笑した。
「お前、早すぎ。もっと楽しませてから出てこいっつうの」
カマールが呆れたようにナジムから手を離す。
これは一体?
ナジムは呆然とアサドとカマールの顔を見比べた。
「私のことを好きだとおっしゃいましたね」
しまった・・・そんなつもりじゃなかったのに。
「あれは、違う」
「どう違うんですか?」
アサドがゆっくりと近づいてきてナジムの顔に近づいた。
「ったく・・お前もう少しあっちに行ってろ」
自分にも近くなったアサドにカマールはため息をつく。
「殺すと言ったはずだが」
「はいはい・・」
アサドの気迫にカマールは両手を挙げた。
「ついでに立ってお前さんが出ていってくれるとよろしいのですが・・・」
アサドはニッと笑う。
ナジムはめずらしいこともあるものだと眺めていた。
「あ~あ、結局そういう役回りか。まぁ、こいつも俺じゃ勃たねぇしな」
「なっ!」
そう言いながら立ち上がってアサドに席を譲るカマールの言葉にナジムは赤くなる。
それを見たアサドがまた微笑む。
「もちろんです。この体は私だけのものですから」
恥ずかしくもなくそんなことをサラッと言うアサドにナジムは更に赤くなった。
勘違いだ。
それは自分に向けられた言葉ではなく、本物のマラークに向けられた言葉に違いない。
そうとわかっていてもこんなに体が熱くなるのは、自分自身がアサドのことを好きだということは否めない。
「そろそろ体が私を欲しているようですね」
「お前、よくもぬけぬけと・・・さんざん王に見せつけやがったくせに。結局王も歳には勝てなくて最愛の王子を目の前にして何もできなかったなんて言えずに、俺に睡眠剤を王子に入れさせたくせに」
え?王にさんざん貫かれたと思っていたのは全てアサドだったと言うことなのか?
それをカマールは知っていたのか・・・
ナジムは呆然とアサドの顔を見つめていた。
「どうしました?して欲しいのでしたら自ら私を招き入れてはいかがですか?」
「なっ?!そんな・・・」
とまどうナジムにカマールが乗り出してきた。
「お、それいい、見てるだけだったらおれも参加する」
「えっ?!それは・」
「いいではありませんか、減るもんじゃありませんし、何より最初にあなたを貫いた男です」
アサドの言葉にはどこかトゲがあった。
まるでナジムが悪いような言い方。
どうせマラークの身代わりなのに・・・
「さぁ、ぐずぐすなさらず、足を開いて!」
「あっ・・」
アサドがナジムの太股をグイッと開かせた。
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