いきなりのことで相手の顔すらよく見ていないが
かろうじて揺らいでいる明かりが相手の男の横顔を照らし出す。
見たことがある男・・・
というよりは良く見知った顔である。
雅秀?どうしてこんな・・同じこの道場の後輩である。
後輩ではあるが年齢は自分よりも3つほど上である。
「光長」
苦しそうに呟く男の顔を見ながら目を見開いた。
両手を離そうと激しく抵抗すると容赦なく腹に一撃を食らった。
一瞬息が止まるような錯覚を覚えてぐったりと道場の床に四肢を投げ出すと
雅秀は着物の襟元を掴んで引き寄せながらそれをぐいっと思い切り両方に割り開いて
両手が動けなくなる。
上半身が露わになって床に転がされると肌に床の冷たさが伝わってくる。
この男は一体私に何をしようというのか。
今度は袴の紐をほどき始めた。
やがて袴を脱がせると着物を広げ出す。
「・・・・ん・・・」
褌の上から中心をやんわりと握り込まれて
驚きに声を出すと今度は抱き起こして露わになった胸をなで始めた。
平らで筋肉しかついていないこの胸になど触れて一体何が楽しいのか
今度は自ら唇を寄せて舐め始める。
ヒヤリとした感覚がぬらぬらと肌を這い回り
乳首に到達すると飾りでしかない男のそこを入念に舐め始めた。
最初はくすぐったくて体を捻りながらこらえていたが
次第にその行為は体の奥の何かを引き出してくる。
カリッと歯を立てられて背中を弓なりに逸らすと雅秀は
「気持ちいいか・・・」
と囁いた。
これは衆道なのか・・・私はお前に組み敷かれるのか・・・
そう考えた瞬間躰が強ばった。
<つづく>
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