光長も頭から洗い始めた。一通り体も洗い終わると、温泉に入った。
確かに絶景の中で入る温泉は開放的で気持ちがよかった。
そこに雅秀も温泉に入ってきた。光長は広い温泉なのでなるべく雅秀から遠くへ行こうと移動する。雅秀も負けずに追いかけてきた。
いつの間にか誰もいない温泉の中で2人は泳ぎ回っていた。
「やっと捕まえた」
光長の足首を雅秀が掴んだ。その表紙に光長は温泉に埋もれそうになる。バタバタと手でお湯を掻いていると、その体毎雅秀に捕らえられた。既に温泉の温度のせいだけではなく光長の体温が上がっている。
「子供じゃあるまいし、運動してからなんてよせ、バカ」
雅秀の顔が光長に近づけられて唇を塞がれそうになる。こんなところで誰かが入ってきたり、外から見られたらすごく恥ずかしい。光長は懸命に雅秀の胸を片手で押した。
その手を簡単に掴まれた。
「生娘みたいな真似してんじゃねぇよ」
雅秀は少し呆れながらため息をついた。少し疲れたようだ。
ようやく掴んだ手はすぐに引き寄せられて肩に腕が回される。筋肉質な雅秀の腕が光長の背中を抱いた。近づいてくる顔に光長はそれでも抵抗しようと顔を左右に振った。
「誰か来たら、どうするんだ!」
それでも雅秀の片手は光長の頬を掴んで固定させた。
「そんなん見せてやるよ、お前どうせ誰にでも平気で足を開く淫乱だろ」
耳元に意地の悪い言葉を浴びせられて光長の動きを封じると程なくその唇に光長の唇が重なった。片手で頬を強く押されて口を開けさせられると簡単に雅秀の舌は光長の口の中へと進入してきた。奥深くまで探るように舐めとられていく。
光長は温泉の熱にも負けないほどの熱が頭の中からあふれ出てくる気がした。
雅秀は翔太とのことに気づいてそんなことを言っているのだろうか?それともただそう言ってまた自分をからかっているのだろうか?いずれにしても今は温泉の熱以上に体の中から上がっていく熱に朦朧としていく。
雅秀の口づけはまるで光長の体の奥を抉ってくるようにそれだけで光長の敏感な部分は反応した。それに気づいた雅秀の指先は這うように光長の体を這い始めた。
「ん・・・っ・・・」
お湯から出ている乳首を指先で転がされて、すでにそこが固くしこっていることに気づいた。
雅秀の口はその指を折って首筋から鎖骨を通ってその尖りに吸い付いた。
背筋を甘い痺れが襲う。
「やっ・・・め・・・ん・・」
飢えた獣のように雅秀は光長の体を舐めつくす。与えられる快楽にのぼせていくのは温泉の長にいるせいだろうか?
「あっ・・・やぁ・・」
起立した前に雅秀の指が絡みつくと更に後ろに体が反って雅秀は思いきり乳首を愛撫していく。
開放的な温泉の中だからなのかとても気持ちが良い。誰かに見られているかもしれないのにそう思うと余計に体が熱くなっていく。雅秀か言うとおり、自分は既におかしくなってしまっているのだろうか。
「すげぇ、お前気持ちよさそうだな。ふっ・・・淫乱」
雅秀は言葉とは裏腹になぜか嬉しそうな顔で光長を貪っていく。
ご馳走を食べている野獣のようだ。
片手が双丘の狭間に滑り込んでいく。お湯の中だからか急に指を入れられても痛みが感じられなかった。ただ蠢く雅秀の指先が光長の体をくねらせる。
「なぁ、あの研究員もこうしてお前の中を貪ったのか?聞かせろよどうやった?どんな顔見せた?くそぅ」
雅秀はまるで嫉妬でもしているかのように光長の中を攻めていく。
「ん・・・あ・・・っ・・」
光長は瞳を閉じて雅秀の言葉を聞きながら体に押し寄せる快楽を受けていた。
やがて熱い塊がそこに当たって瞳を開いた。
<「弦月」温泉宿にて4へ続く>
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