アサドの体温でナジムがホッとできるなんて不思議だった。
だが、あの部屋に行く前に虐められていた部分もおかげですっかりおとなしくなっていた。
縛られていても辛くはない。
マラークの部屋に戻った頃にはナジムは平常心に戻っていた。
ドサリと天蓋つきの大きなベッドの上に体を下ろされた。
スウッと引かれていくアサドの手を、ナジムは素早く掴んでいた。
アサドが驚いた顔で見下ろしてくる。
「もう、血は止まってますか・・・」
もう片方の手も添えてアサドの手を包み込むように持って頬を寄せた。
アサドはそんなナジムを見下ろす瞳がいつもの冷ややかな光を纏う。
「あなたもマラーク様誘拐犯の片棒をかついでいたのですね」
ナジムはハッとしてブンブンと左右に首を振った。
「そんなことは・・・それにまだ誘拐なんて・・・」
とアサドの瞳に訴える。
「これは間違いなく誘拐です。気がつかなかったのは私の過失ですが、マラーク王子はたくさんの方から狙われていました。場合によってはお命だって・・・」
とナジムの掴んでいた手を逆に強く握りかえした。
「い・・痛いです・・離してください」
潤んだ瞳でアサドの顔を見上げると、アサドはナジムの手をそのままグイッと引っぱった。
そのはずみでナジムの体がアサドの元に引き寄せられた。
アサドはナジムの腰紐を勢いよく解くと裾をめくり上げた。
「えっ・・・あっ・・」
ベッドの上に四つん這いになったナジムは頭まで長い服の裾をかけられて、下半身が丸出しになった。
「おや、すっかり萎えてしまったではないですか・・・つまらない」
縛って拘束されている紐を引っ張られて羞恥に顔が熱くなった。
程なく尻の割れ目に何か冷たいものがかけられた。
「はっ・・・」
すぐにアサドの指がその液体らしいものを窄まりへと塗り込んできた。
「やっ・・・ああ」
まだきつい窄まりの周りからヒダを丁寧に少しずつ指が突いた。
だがそれ以上強引にねじ込むわけでもなく、アサドの指は離れていった。
バサッと言う服の音がして顔から服が脱ぎ取られると、ナジムはまた素っ裸になってしまった。
雄の部分だけに結ばれている紐がとても卑猥に見える。
そこにアサドの携帯電話が鳴った。
アサドはすぐに携帯を耳にあてた。
「はい、やはりでしたか・・・国は?」
「港と船も調べてみてください。場合によっては海外まで捜索せねばなりません」
アサドが電話を切るとナジムの元に戻ってきた。
「あなたにはそれなりの罰を与えないと気がすみません」
と更に冷たい瞳で見下ろされた。
その時、さっきアサドに触れられた部分が急におかしい・・・それどころかもっと奥の方がムズムズする。体が熱く前も張りつめていく。
「ああっんん・・・いっああ」
アサドがナジムの堅くなった乳首を摘み上げると、それだけで達してしまいそうな程の快楽が体に広がっていく。
「薬が効いてきたようですね」
アサドはナジムの白くすべやかな体に手のひらを這わせながら、ビクンビクンと反応するナジムを見つめていた。
だが雄は縛られたまま達することさえ許されない。
両手だけは後ろ手に縛られてしまった。
これが罰ということなのだろうか・・・ナジムはマラークが誘拐されることなど何も知らなかったのに・・・
アサドがもう一度電話に出たところで
ナジムはベッドの上で両足を閉じて少しでも恥ずかしいところが見えないように努力した。
足が拘束されていないことが唯一の救いだ。
だが体を襲う痺れがそんなナジムの理性さえも蝕んでいった。
「あっ・・はっ・・・」
両足を擦り合わせるようにして雄の紐を外そうと努力する。
その姿をアサドは電話を受けながら見つめていた。
紐を外そうとベッドの布団に擦りつけた刺激さえも体を追い詰めていく。
一体どうすればこの地獄から抜け出されるのかと転げ回る。
すると電話を終えたアサドがナジムのに手を伸ばした。
「擦れすぎて赤くなってます」
「ひゃん・・ああ」
アサドがナジムの雄の根本とその裏側に触れる。
ビクンと雄が動くと紐がはち切れそうになってきた。
それから後ろの蕾にも人差し指で触れた。
「おや、だいぶほぐれましたね」
さっきまで堅く締まっていてまるで受け付けなかった蕾がほころんで、ナジムの指を飲み込む。
少しだけ入っただけなのに浅ましく蠢くのがナジム自信にもわかった。
「これは・・・」
アサドも息を飲んだ。
それから唇を耳元に寄せて囁く。
「淫乱」
やはりこれが彼の罰の仕方なのだとナジムは恐れた。
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