差し込んでくる眩しい光とは不釣り合いに
ぴちゃぴちゃと淫らな水音だけがナジムの耳に聞こえてくる。
その指の持ち主であるアサドは目を細めながら冷ややかに見下ろしていた。
「もう、きれいです」
ナジムがようやくきれいに舐めとると火照った顔を上げてアサドを見た。
アサドはナジムのふっくらとした唇を指先で数回なぞってから、その手を引っ込めた。
「ではそろそろ本当の王子がいる場所に案内してもらいましょうか?」
とナジムの足を拘束していた紐を解いた。
それから手の紐も解くと、ようやく朝持ってきた着替えを手渡してくれた。
「これを・・・あなたは手出ししないでください。私が着せますから立ってください」
ナジムが着替えを受け取ろうと手を伸ばすと、その手を避けた。
ナジムはゆっくりと立ち上がった。同時にスルリとナジムの肩にシルクの生地がかけられた。
ヒヤリとしたシルクの感触に背中がビクッとすると、その背中を見つめてアサドはわざとナジムの胸に触れながら服を着せた。
何度も乳首の上を擦れる指先に、まだ達したばかりで火照りが残っていた体は反応する。
ツンと堅く芯をもったそこを見ながらアサドが口元を上げた。
「ほう、服を着せてもらっているだけでこんなになるとは・・・」
アサドがナジムの腰紐を後ろに回しながら耳元に唇を寄せた。
「いやらしい体です」
囁くようにそう言われると首筋からゾワリとした。
それでもまだ堅く尖った乳首を擦り続け、さっき一度達したはずの雄まで反応をはじめた。
「やめてください・・・自分で着ます」
耐えきれずにナジムがアサドを振り向くと、アサドの鋭い瞳に冷たく視線を逸らされた。
「何を勘違いされているのですか?あなたはマラーク様ではないのです。どうしてあなたの命令など聞けましょう。あなたは私のすることに従うだけです」
せっせと服を着せながら、それでも執拗に乳首を擦られ続けて、気づくとそこだけが赤くなっている。
下も僅かに先が持ち上がり、なんともいやらしい格好になっていた。
「さて、そんな格好でマラーク様があなたをご覧になれば、きっと悲しまれるでしょう。いやらしいあなたはそれをどうにかしないといけません。そこで問題です。あなたはどうすればマラーク様のところへ私を連れて行けるのでしょうか?」
そんなの勝手にアサドが焚きつけて、こんなになっただけなのに・・・
ナジムはアサドの顔を上目遣いで睨んでいた。
するとその顎をつかまれ、アサドの鋭い瞳がオッドアイを覗き込んできた。
「おっと、その瞳はまずいですね。私としたことが、コンタクトを忘れるところでした」
と一度ナジムの側から離れてコンタクトレンズとを取りに行った。
今のうちに服を直そうとナジムが服に触れると、既に堅くなった雄に触れた。
「あっ・・」
思わず甘い声を漏らすと、アサドは良いことを思いついたという顔でナジムを見た。
「いいでしょう。そこでご自分ですませてください。ただし、私の見ている前でなさってください」
指すような瞳にナジムはただただアサドを見つめていた。
そのまま数分が過ぎた。
いっこうに動く気配のないナジムにアサドは大きなため息をついた。
「先ほど私が申し上げた言葉は通じなかったのでしょうか?あなたに選択肢などないと・・・これは命令です。ここにいる以上、あなたは命令に従わなければ殺されても文句は言えないのですよ」
殺されるという言葉に敏感に体が反応した。
視線を横に外して、キッと唇を結ぶ。
ゆっくりとした動きで、座るともたもたと服の間から手を入れると、自らの雄に指先を絡みつけながら、擦りあげた。
「ん・・・あっ・・・」
懸命に頭の中で気持ちよくなれるよう努力するが、目の前でじっと見つめる冷たい瞳になかなかそれ以上体が反応しない。
「もっと、足を開きなさい」
指示通り足を開いた。
「こっちを向きなさい」
「もう片方の指で自分の乳首を摘んで擦りなさい」
左手で堅くなった粒を摘んで転がす。
「はっ・・んん・・・」
「先端から涎がたれてきましたよ。見られて気持ちいいですか?」
わざとバカにするように言われてもなぜか体は一層熱くなった。
「ん・・ふっ・・」
次第に雄を擦りあげる手に力が入る。
「もっとゆっくりですよ」
だがもっと刺激が欲しくて腰が浮く。
「ほう、どうしました?」
わかってるくせに焦らすような態度が無性に腹立たしい。
だが、逆らえば・・・
ナジムは目尻に涙をにじませながら満たされない欲求に耐えた。
読了、お疲れ様でした。
web拍手もありがとうございます^^