2人の真剣な顔に優翔は渋々約束した。
ようやく和真と嵐が部屋への入り口を開けた。
「つきみ・・・」
優翔が部屋の中を見るとそう言った。
部屋の中央に置かれているソファーに月深が座っていた。
裸にシャツ一枚だけ羽織った姿でぎゅつと足を閉じている。
だが、何かをこらえているのか真っ赤な顔をして汗をかいている。
月深の白い肌もピンク色に色づいていて、シャツの上からでも乳首が起っているのがわかる。
その姿に優翔はただごとではないと感じた。
竜一を振り向くとキッと睨む。
「一体、月深に何をした?!!」
「何って別に・・・ただちょっと素直にしてやろうかと手助けしてやってましてね」
竜一は相変わらずニコニコと笑みを浮かべている。
優翔が月深の側に駆け寄ろうとすると、竜一の後ろに控えていた長身の男が優翔の腕を掴んで止めた。
「離せ!!」
「すみません。うちの若い者はどうも手が早くて。けど、お客人はそこから先に入ってもらっては困りましてね。どうかこちらでご覧ください。ここから先は私が月深をもっと気持ちよくしてあげるところです」
「なに?!!」
優翔は両腕を羽交い締めにされながら懸命に竜一に飛びかかろうとする。
嵐と和真も別の部下達に押さえ込まれていた。
「くそぅ・・・」
3人はぎりぎりと歯を噛む。
竜一は優翔の前をゆっくりと通りながら、月深の座っているソファーに近づいた。
月深の顎をつかむと押さえ込まれて動けない優翔の方へ顔を向けた。
「ほうら、よくいい顔をみせてあげなさい。これからもっといい顔になるんですけどね」
竜一の瞳がキラリと光った。
「やめ・・・ろ。優翔・・・かえって・・・くれ」
月深は虚ろな瞳で優翔を見る。
すると急にうめき声を上げて体を反らした。
「あうっ・・やろっ・・あああ」
優翔が走り寄ろうと押さえ込まれたまま懸命に暴れると竜一は口元を上げた。
「これは楽しい」
<「更待月」月の砂30へ続く>
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