何をするのも怠く感じるほどぐったりした羽根は携帯の着信が何回もあったことを知ってゾッとした。
※ここからは18歳以下の方のみどうぞ
[0回]
雫のこと忘れてた。きっと怒っている。
どうしよう・・・
あわててシャワーを浴びようと体を起こすと中に放たれた翼の蜜がとろりと足の間に流れ出てきた。
「あ・・・」おもわずそんな声を出すと翼が起き上がって羽根の腕を掴んで風呂場へ連れて行った。
「ちゃんと中まで掻き出さないと大変だから・・・」と羽根を四つ這いにして後ろから中指を入れた。
「ああ・・・」それだけでまだ体が熱くなるが懸命に押さえ込む。
翼の指は羽根の中で曲げながら掻き出していく、シャワーのお湯を強めにあてられていると不本意ながら前が硬くなった。
仕方ない・・後で翼がいなくなったら出しておくか・・・などと考えていると翼は羽根の雄を口に含んだ。
「なっ・・やめっ・・いいから」
「お前が気持ちよくなるなら俺は何でもする」
どこまでも過保護な兄に苦笑しながら、不本意にも兄の口の中に羽根は蜜を注ぎ込んだ。
ごくんと喉を鳴らして翼はそれを飲み込んだ。
「何も飲み込まなくたって・・そんなもの」
羽根が真っ赤になると翼は笑った。
「羽根は可愛い」
翼は両腕で羽根の体を抱きかかえた。
どうやら疲れ切った蒼空はまだ眠っているらしい。
シャワーを終えると身も心もさっぱりとした。
「兄さん話したいことがあるでしょ」
「お前もあるんじゃないのか?」
羽根の言葉を逆手にとられて羽根は戸惑いながらも頷いた。
「ある・・・けど、じゃあ俺から話すよ」
と手近にあったシャツとパンツを身につけてからリビングのソファーに座った。
翼はバスタオルを腰に巻き付けたまま冷蔵庫から冷えたミネラルウォーターを2本取り出すとソファーに座って1本を羽根に手渡した。
「俺、この家を出て桧山さんところで暮らす・・・と思う」
羽根は言いづらそうにそう言ってから翼から受け取ったミネラルウォーターのキャップを開けて口に含んでごくんと飲み込んだ。
「そうか・・・・」
翼は複雑そうな顔をして一口飲んだボトルについた水滴を指でなぞる。
「お前はひとりにしておくと心配だけど・・・」
そこで顔を上げると真っ直ぐに羽根の瞳を見つめた。
「お前はそれでいいのか?本当に男で幸せなのか?」
まるで保護者のように静かに話す。
羽根はただコクンと頷くと「そうか」と小さく言ってからボトルのミネラルウォーターを飲んだ。
夜も更けて外はシンと静まりかえっている。カーテンの隙間から差し込んだ月明かりで今夜が満月かもしれないと思う。
しばらくの間沈黙が続き、やがて翼が口を開いた。
「俺は仕事でまた海外に行き今度は3年くらい戻れないんだ。羽根は心配だから一緒に連れて行こうと思っていた。けど、蒼空が気づいて一緒に連れていけって迫られてな」
「3年も・・・それで一緒に行くの?」
「ああ、こいつのこと俺も羽根とは別の意味ですごく大事に思ってる。羽根がそれでもよければ一緒に行きたい。一緒に来てくれないだろうか?」
羽根の話を聞かされてからそう言うまでの準備に時間が必要だったのかもしれない。
翼は翼なりに羽根のことを心配している。だけど翼にも蒼空にも幸せになって欲しい。
じゃあ美波さんはどうなるんだろう?彼はまたひとりぼっち?
翼と美波の関係が羽根には良く理解できない。
「美波さんはどうするの?」
「俺は蒼空よりも美波を愛している」
<「恋占い」翼の部屋にて6へ続く>
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